秋田市の空き家に関する取り組みは?空き家の現状や市の対策をご紹介

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秋田市の空き家に関する取り組みは?空き家の現状や市の対策をご紹介

秋田市は人口およそ31万人を擁する秋田県の県庁所在地で、秋田新幹線や秋田自動車道、秋田空港など、交通の利便性にも優れた東北地方の中核都市です。
県庁所在地にふさわしい利便性を有しながらも、市の東側には出羽山地、西には日本海と豊かな自然に恵まれています。
また、東北3大祭りに数えられる「秋田竿燈祭り」や日本酒の生産などでも有名です。
このような魅力あふれる秋田市ですが、全国の多くの市町村と同じく、空き家問題を抱えています。
今回の記事では、秋田市の空き家問題と空き家対策についてご紹介いたします。

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秋田市の空き家増加の背景は高齢化と住宅の老朽化

秋田市が同市の空き家関連対策に関する方針を示す資料として平成26年度に策定された「秋田市空き家対策基本方針」があります。
「秋田市空き家対策基本方針」には、秋田市の空き家の現状、その背景や課題、また、課題を解決するための基本方針や具体的な対策がまとめられています。
はじめに、「秋田市空き家対策基本方針」を参照しながら、秋田市の空き家の現状や課題についてご紹介いたします。
まずは、秋田市の空き家の現状について見ていきましょう。
「秋田市空き家対策基本方針」によれば、「平成20年住宅・土地統計調査」での秋田市の総住宅数は、15万170戸、うち空き家は2万1,480戸で、空き家率は14.3%でした。
同調査での全国の空き家率は13.1%、秋田県の空き家率は12.7%でしたので、秋田市の空き家率は全国平均や県平均よりも高いということになります。
また、平成10年の空き家率と比較した空き家の増加率を見ると、秋田市は5.5%増加、一方で全国平均は1.6%増、秋田県は3.7%増ですので、秋田市は空き家の増加率も全国や県平均よりも大きいことがわかります。
秋田市の空き家の種類別の統計では、一戸建ての空き家が6,820戸と空き家全体の31.2%を占めており、このうち74,9%が賃貸・売却・二次的住宅などの目的が定まらないいわゆる「その他の住宅」でした。
さらに、これらの一戸建ての「その他の住宅」のうち、42.5%に腐朽・破損があるとの調査結果が出ています。
「その他の住宅」は、活用方法が定まらないために管理不全に陥りやすいと言われており、実際にその4割以上に腐朽や破損が見られるため、「秋田市空き家対策基本方針」は「その他の住宅」に対する空き家対策が必要であるとの所見を示しています。
一方で、空き家発生の要因については、背景に少子高齢化や人口減少、さらには過剰な住宅供給や住宅の老朽化などがあるとされています。
平成22年度の国勢調査で、秋田市では一般世帯数12万9,816世帯に対し、65歳以上の高齢者単身世帯数が1万2,030世帯となっています。
また、市内の居住者のいる住宅12万7,740戸のうち、築年数が50年以上の住宅が4,830戸、築年数40~50年の住宅が9,900戸となっています。
このように、秋田市では高齢者の単身世帯が多く、また老朽化住宅数も多いことから、今後さらなる空き家の増加が懸念されているのです。

秋田市の空き家問題の課題と取り組みの方針は?

ここまでは、「秋田市空き家対策基本方針」から、秋田市の空き家の現状についてご紹介しました。
ここからは、こうした状況を踏まえたうえで、秋田市の空き家問題に対する課題と対策についてご紹介していきます。
秋田市の空き家対策における課題は、大きく分けて3つあります。
1つ目は、今すでに空き家となっている建物についての課題、2つ目は新たな空き家の発生の予防、3つ目は空き家対策に対応していくための体制づくりです。
既存の空き家についての市の方針としては、空き家の所有者に適正管理についての啓発をおこなうこと、空き家の利活用を進めること、周辺地域の生活環境に悪影響を及ぼすと思われる空き家への対処などが挙げられます。
市が実施する所有者に対する啓発活動には、市の広報や、固定資産税の納税通知書に同封したチラシを通じた適正管理の呼びかけがあります。
また、空き家バンクの新設により、空き家の利活用促進を推進しています。
さらに、危険空き家に対しては、建築基準法に関する法令の適用や空き家の適正管理に関する条例の制定を通じた法的な対処をおこないます。
また、これらの法令に基づく調査による資料の作成及び情報共有、空き家の解体撤去費用の補助制度の新設などを実施することでも対処しています。
とくに、空き家の適正管理に関する条例では、空き家の管理責任者を原則的に所有者であると定め、家屋の倒壊や破損による人や物への被害について、その責任が空き家の所有者または管理者にあるとしています。
そして、市は、必要に応じて実態調査のために空き家の立ち入り調査を実施し、空き家が周辺地域にとって危険な状態にあると判明した場合、所有者の特定や、所有者への助言・指導、勧告、措置命令、氏名などの公表、緊急安全措置などをおこなうことができると定めています。
これらに加え、新たな空き家の発生を防ぐために、住宅の所有者が家屋の利用を継続できるよう、リフォームや耐震改修に関する支援制度の整備も実施しています。
また、これらの空き家対策と並行して、空き家に関する相談窓口の整備や担当部署の明確化もおこなっています。

秋田市の空き家対策の事例をご紹介!空き家解体の補助金事業とは?

最後に、秋田市が空き家対策として実施している、空き家の解体に関する補助制度についてご紹介しましょう。
まずご紹介するのは、「秋田市老朽危険空き家等解体撤去補助金」です。
こちらは、周辺地域に被害を及ぼす可能性がある空き家など、市によって危険と判断された空き家について、所有者や管理責任者が解体や撤去をおこなう際の費用の一部を秋田市が補助するものです。
対象となるのは、1年以上使用されていない個人所有の空き家のうち、秋田市の空き家等の適正管理に関する条例などにより、市から助言や指導、勧告、命令の対象となったものです。
これらの空き家の登記事項証明書上の所有者、その相続人または市が管理責任者と認めた方が、市の提示する条件を満たし、市内の業者に依頼し、秋田市の提示する条件を満たす空き家の解体撤去工事をおこなう場合に、補助金が支給されます。
対象となる経費は、解体撤去工事と廃材などの処分およびこれらに付随して実施する必要のある作業にかかる経費で、50万円を上限として、対象経費の1/2が補助されます。
さらに、「秋田市老朽危険空き家等解体撤去補助金」の交付を受ける方は、秋田銀行の「〈あきぎん〉空き家解体ローン」をお得に利用することができます。
これは、秋田銀行が秋田市との提携により、空き家の解体を推進する観点から、補助金を受ける方が秋田銀行の「〈あきぎん〉空き家解体ローン」を利用する際に、ローンの金利を引き下げる制度です。
秋田銀行の「空き家解体ローン」は、空き家の解体費用について、通常10万円以上200万円以下を、変動金利年2.000%、融資期間を6か月以上5年以内として貸し付けるものです。
ただし、秋田銀行と秋田市の提携により、「秋田市老朽危険空き家等解体撤去補助金」が交付される方については、こちらのローンを年間金利1.700%で利用することができます。
このほかにも、秋田市では空き家バンクの運営や、相談窓口の設置、リフォームや耐震改修の支援事業などさまざまな空き家対策を実施しています。
秋田市内の空き家のことでお困りの場合には、これらの制度を活用してみてはいかがでしょうか。

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まとめ

今回の記事では、秋田市の空き家対策についてご紹介いたしました。
秋田市は秋田県の県庁所在地であり、東北地方有数の中核都市でもありますが、全国の多くの自治体と同様、空き家問題を抱えており、とくに高齢者の単身世帯の増加や住宅の老朽化は大きな課題となっています。
このような背景から、市は危険な空き家に対処するための法整備や、空き家の解体撤去費用の補助、また新たな空き家を発生させないためのリフォームや耐震改修費用の補助などにとくに力を入れています。
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