三重県北西部に位置する伊賀市は、江戸時代より藤堂家の城下町、また伊勢神宮への参拝客の宿場町として栄えてきました。
また、忍者や松尾芭蕉のふるさととしても知られ、京・山と文化の影響を受けつつも、独自の文化が育まれてきました。
そのような魅力を持つ伊賀市は古くから観光地として知られてきましたが、豊かな自然と利便性を兼ね備えた「ちょうどいい田舎暮らし」が実現できるまちでもあります。
また、伊賀市は少子高齢化や空き家問題に取り組むべく、移住促進政策や空き家対策に力を入れています。
そこで今回の記事では、三重県伊賀市への移住をお考えの方に向けて、伊賀市の空き家対策および関連補助金制度についてご紹介いたします。
便利な田舎暮らしにピッタリの伊賀市!その魅力と移住促進政策・空き家対策とは?
はじめに、伊賀市とその空き家対策の概要についてご紹介しましょう。
冒頭でもお伝えしたように、伊賀市は3つの街道により大阪・奈良と結ばれ、古くから江戸時代より城下町、また伊勢神宮参拝の宿場町として発展してきました。
古くから「お伊勢参り」の参拝客を受け入れ、現在では海外からの観光客にも人気の高い伊勢市ですが、豊かな自然に恵まれながら、程よく便利な生活ができる、田舎暮らしにぴったりのまちでもあります。
伊勢市で生活する上での大きな魅力としては、自然に囲まれた環境にありながら、都市部への交通アクセスがよいことが挙げられます。
名阪国道、新名神高速道路、JR、近鉄、伊賀鉄道、三重交通バスなど、様々な交通網を利用でき、大阪、京都、名古屋などの都市部へは車で約80分ほどです。
さらに、市内には保育所や学校、病院、スーパーなどの生活に欠かせない施設が充実しているのも、魅力の一つです。
また、発達した交通網により企業立地が進んでいるため、県内上位の有効求人倍率を誇っており、就職先を見つけやすい環境と言えます。
このように、観光地としてだけでなく、便利な田舎暮らしを実現する移住先としても魅力にあふれる伊賀市では、少子高齢化問題に対する取り組みとして移住促進政策に力を入れています。
伊賀市の移住促進施策には、移住交流イベントの実施や空き家バンクの運営、移住希望者に向けた相談窓口「移住コンシェルジュ」の設置や補助金制度などの支援策などがあります。
移住交流ポータルサイト「iga-style」では、これらの移住促進施策についての情報を発信しています。
また、伊賀市が移住促進政策と合わせて取り組んでいるのが空き家対策です。
伊賀市の空き家対策は、平成27年に施行された「空家等対策の促進に関する特別措置法」に基づいた「伊賀市空家等対策計画」に則って、進められています。
伊賀市はこの中で、空き家の「適正管理」・「利活用」・「再生」に向けた施策の実施を通じて、市内の人口を維持することを大きな目標として掲げています。
このうち空き家の「適正管理」としては、空家所有者に向けた相談窓口の設置や維持管理のためのサポート、また空き家の近隣住民からの相談受付、特定空き家への措置の実施などがあります。
また、空き家の「利活用」や「再生」に向けた施策では、空き家を再生する事業者に向けた支援制度や空き家バンクの運営、農地取得支援制度などを実施しています。
ここからは、伊賀市の移住・空き家関連施策の中でも、伊賀市への移住で活用できる空き家関連の支援制度についてご紹介していきましょう。
特定空き家への対策!伊賀市空家等除却費補助金とは?
まずは、特定空家等と伊賀市が認定した建物で、解体除却の行政指導を受けている方が対象の制度「伊賀市空家等除却費補助金」をご紹介しましょう。
こちらは、特定空き家と認定された建築物を所有していて、措置法を解体除去とされた方を対象に、空き家解体除去に必要になる経費の一部を補助する制度です。
この補助金の対象者となるのは、以下の要件をすべて満たしている方となります。
●指導書の措置の内容が解体除却と記載がある。
●解体除却を行う業者は伊賀市内に事務所(法人登記)がある。
●解体除却の工期が3月31日までに完了予定である。
●申請者と同居者は暴力団員又はその関係者ではない。
●他の補助金の申請又は交付を受けていない。
●対象建物の所有者である。又はその直系血族または相続人である。
●申請者及び同居者は居住する市区町村民税を滞納していない。
以上の要件をすべて満たした場合、補助対象者及び同居家族全員の住民税所得割が課税対象の世帯は、50万円を上限として、補助対象経費に3分の1を乗じて得た額分の支援が得られます。
また、非課税世帯の場合は100万円を限度として、同様に補助対象経費に3分の1を乗じて得た額分の支援が得ることができます。
また、申請期間は令和3年4月1日から12月31日までですが、補助金の予算がなくなり次第終了となってしますため、行政指導を受けた方は早めに申請を出したほうが良いですね。
伊賀市の空き家バンク「伊賀流空き家バンク」とは?
次に、伊賀市が運営する空き家バンク「伊賀流空き家バンク」と関連支援制度についてご紹介しましょう。
伊賀市の空き家バンク「伊賀流空き家バンク」の基本的仕組みは、他の自治体の空き家バンクと同様、空き家の売却・賃貸を希望する物件所有者からの物件情報を市のホームページで公開し、空き家物件を探している方とつなげることです。
一方、「伊賀流空き家バンク」の特徴としては、安心・安全な中古住宅の流通に貢献し、信頼できる住まいを提供するための取り組みに力を入れている点が挙げられます。
この取り組みの一環として、伊賀市は専門機関との連携を通じて住宅診断や住宅性能評価、不動産鑑定を実施し、物件の状態に見合った価格での取引を推進しています。
空き家の購入や賃貸に際しては、市の職員が中心となって情報提供、内見、移住相談などのサポートを提供しています。
また、専門的な支援が必要なケースに対応すべく、不動産・法律・建設・建築といった各分野の専門家団体とも提携しています。
さらに、伊賀市は空き家の利活用をさらに促進するため、空き家バンク利用者の方が活用できる支援制度を設けています。
そのうち「空き家バンク家財処分等補助金」は、空き家バンクに登録された空き家の家財道具の処分などの経費の一部を補助します。
補助対象となるには、以下の要件をすべて満たす必要があります。
●補助金申請日が属する年の1月1日時点で居住した市区町村の市区町村民税を滞納していない。
●補助金を申請するものおよびその世帯員が暴力団や暴力団員と密接な関係を有していない
●補助金交付後2年以上空き家バンクを利用すると誓約できる物件所有者、または補助金交付後5年間、対象となった空き家に居住すると誓約できる空き家バンク利用登録者
上記の要件をすべて満たし、家財処分等を市指定の業者に依頼する場合は、補助対象事業に要する経費の2/3以内の額か3万円のうち、いずれか少ない額が支給されます。
市の清掃施設に直接持ち込み処分する場合は、対象経費額または3万円のうち、いずれか少ない額が支給されます。
また、「空き家バンク農地取得支援」では、農地を取得する際は3000㎡以上の土地がないと申請できない自治体が多いなか、空き家バンクの農地付き物件を取得した場合、1㎡から取得申請をおこなうことができます。
この記事も読まれています|三重県津市に移住したい!津市への移住で空き家に使える補助金をご紹介