少子高齢化が進むにつれ、地方では過疎化や空き家の増加に拍車がかかり、深刻な問題となっています。
一方で、都会に暮らす人々の間では、地方の空き家をリノベーションしての田舎暮らしに憧れる移住希望者が増えてきています。
こうした状況を受けて、多くの地方自治体が移住・定住支援や空き家対策に力を入れており、移住や空き家購入の際の相談窓口や補助金制度などを設けています。
三重県の県庁所在地である津市も、移住・定住支援や空き家対策に積極的に取り組んでいる自治体の一つです。
今回の記事では、津市への移住・定住支援と空き家対策について、空き家に使える補助金のご紹介を中心にお伝えいたします。
三重県津市ってどんなところ?その移住支援制度×空き家対策とは?
はじめに、津市の移住・定住支援と空き家対策についてご紹介しましょう。
三重県の中央部に位置する津市は、三重県の県庁所在地でもあり、伊勢湾から奈良県にまで及ぶ広大な面積を持っています。
中部地方と近畿地方を結ぶポイントでもあり、名古屋まで電車でおよそ45分、東京からおよそ2時間半と主要都市からのアクセスが非常に良いのが特徴の一つです。
さらに、中部国際空港へは「津なぎさまち」から高速船で45分程度と、海外へのアクセスも良好です。
また、県立美術館や三重県総合博物館MieMuなどの文化施設も充実しています。
一方で、津市は温暖な気候に恵まれ、南北に続く海岸線や美杉地域の癒しの森といった豊かな自然を有しており、海の幸や山の幸を楽しむこともできます。
県庁所在地としての利便性と豊かな自然を同時に享受できる津市は、暮らしやすい魅力的なまちであると言えるでしょう。
そのような様々な魅力を持つ津市では、地域の活性化に向けて、移住・定住支援に取り組んでいます。
市は移住・定住支援のなかでも三重県唯一の森林セラピー基地を有する美杉地域への移住・定住支援に特に力を入れています。
美杉地域への移住・定住支援としては、美杉地域への移住相談に対応する「津市田舎暮らしアドバイザー」の設置や、美杉地区での田舎暮らし体験ができる短期宿泊施設や農家民宿の紹介などがあります。
また、津市への移住で活用できる移住支援策に「移住支援事業」があります。
この事業では、東京圏から津市に移住して5年以上定住の意思があり、三重県の就業マッチングサイトで移住支援金の支給対象として掲載された求人に応募して就職した場合に、1世帯ごとに100万円、単身の場合には60万円が支給されます。
さらに就業支援として、「ふるさと就職新生活応援奨励金」などの支援金制度や「新規就農希望者相談窓口」「創業相談」などの相談窓口が設けられているほか、子育て支援として「子育て支援センター」など各種子育て支援施設や、預かり保育、病児・病後児保育などの保育制度も充実しています。
このような地域の活性化に向けた移住・定住支援策の一環に移住希望者の住まいや事業所としての空き家の利活用があります。
「空き家情報バンク」では、市内の空き家・空き店舗の所有者が売却や賃貸を希望する物件を、市のホームページを通じて空き家の利活用希望者に紹介しています。
また、県外から津市への移住を目的として市内の空き家を購入、または津市の「空き家情報バンク」を通じて空き家を購入した場合には、空き家の改修工事費用を補助する制度を利用できます。
ここからは、津市への移住で空き家を購入した場合に利用できる、各種補助金制度をご紹介していきましょう。
津市への移住者が空き家の改修工事で利用できる「移住促進のための空き家リノベーション支援事業補助金」とは?
まずご紹介するのは、「移住促進のための空き家リノベーション支援事業補助金」です。
こちらの補助金は、県外から津市への移住者が、移住を目的として市内の空き家物件の改修をおこなう際に、工事費用の一部を補助するものです。
対象となる空き家の条件は、津市市内にある、現在利用されていない空き家住宅または空き建築物のうち、耐震基準を満たしているか、改修工事により耐震基準を満たす予定であるものです。
対象となる工事は、津市市内に本店、支店または営業所がある建設業者によりおこなわれる工事のうち以下の条件を満たすものとなります。
●移住者の要望に応じた多様なライフスタイルを実現するために必要な改修工事
●補助金の申請後に着工し、申請年度内に完成する工事
また、補助対象者となるのは以下のいずれかに該当する方となります。
●三重県外に1年以上在住しており、津市市内の空き家に移住、その後10年以上定住する予定で、工事完了後30日以内に津市に転入届を提出する移住者
●空き家住宅または空き建築物の所有者であって、移住者と売買契約または賃貸契約を締結した人
補助金額は、100万円を上限として、改修工事にかかった費用の1/3となっています。
申し込みの際は、事前にお問い合わせの上、交付申請書に必要書類を添付して、市の都市政策課に申請します。
津市の空き家情報バンクを利用しての空き家購入で利用できる空き家のリノベーション費用補助金とは?
ここからは、津市の「空き家情報バンク」を活用しての空き家購入で利用できる、空き家の改修工事費用の補助金制度についてご紹介いたします。
こうした補助金制度には、「津市美杉地域移住促進のための空き家リノベーション補助金」と「津市美杉地域空き家情報バンク利用物件改修費補助金」との2種類があり、それぞれ対象となる工事内容と補助金額が異なります。
まず、「津市美杉地域移住促進のための空き家リノベーション補助金」で対象となるのは、浴室やトイレ、キッチンなどの水回り以外の改修工事です。
支給される補助金額は上限を100万円として、上記の内容での改修工事費用の1/3となります。
一方、「津市美杉地域空き家情報バンク利用物件改修費補助金」の対象となる工事は、浴室やトイレ、キッチンなどの水回り部分に関わる改修工事です。
補助金額は上限を50万円として、対象となる改修工事にかかった費用の1/2となります。
なお、「津市美杉地域移住促進のための空き家リノベーション補助金」や「津市美杉地域空き家情報バンク利用物件改修費補助金」を利用する際に、補助金額に1,000円未満の端数がある場合、支給するのはその端数を切り捨てた額となります。
各補助金の交付は1物件につき1回限りとなりますが、改修工事箇所を明確にすることで、これらの補助金制度を併用することが可能です。
また、補助金の交付は、当該物件で10年以上定住もしくは二地域居住が条件となり、補助金の交付申請は物件購入後1年以内におこなう必要があります。
補助金の交付の流れとしては、事前協議の後、着工1カ月前に交付申請をおこない、交付決定後に工事に着手します。
さらに、工事の完了後、30日以内に実績報告書を提出すると、現場確認後、補助金の確定が通知されます。
この記事も読まれています|狭あい道路沿道老朽住宅除却促進制度とは?大阪市の空き家に関する補助金制度をご紹介
まとめ
県庁所在地としての利便性と豊かな自然を兼ね備えた魅力的なまち、津市では、地域の活性化に向けて、移住・定住支援策に積極的に取り組んでおり、移住や移住者の就業を支援するための各種補助金や相談窓口が充実しています。
また、こうした移住・定住支援の一環として空き家の利活用への支援があり、地域の売却・賃貸用空き家の情報を提供する「空き家情報バンク」を運営しています。
さらに、移住者が空き家に入居するための改修工事や、「空き家情報バンク」に掲載された物件の改修工事の費用に対して補助金が支給される制度もあります。
三重県津市への移住に興味をお持ちの方は、これらの支援制度の利用をご検討されてみてはいかがでしょうか。
全国空き家管理ナビでは、空き家の管理を行なう専門業者を検索できます。
空き家管理にお困りなら、ぜひこちらで頼れる業者を見つけてください!
住まいをお探しの方はこちらをクリック↓