国内で年々増え続ける空き家の問題がメディアで取り上げられ、注目を集めていますが、これに伴って空き家対策特別措置法などの行政による対策も進められています。
移住定住策の一環として、空き家の利活用に積極的に取り組む地方自治体も増え、空き家バンクや補助金制度など空き家購入支援策が整備されています。
神奈川県に位置する松田町もそのような自治体の一つです。
今回の記事では、神奈川県松田町の空き家バンクや空き家の購入に向けた補助金制度など、空き家購入支援策についてご紹介いたします。
神奈川県松田町は移住定住支援策が充実!空き家購入に関する支援も
はじめに、松田町とその移住定住対策の概要についてご紹介しましょう。
松田町は神奈川県西部、足柄上郡に属する町です。
古くから交通の要衝として栄え、小田急小田原線の新松田駅と御殿場線の松田駅があり、さらに東名高速道路と国道246号線の連絡点となっています。
東京からは車でも電車でも1時間ほどと、比較的都内から近い場所にある上、御殿場、箱根、小田原へは30分圏内、富士山へは1時間と、通勤・通学だけでなく、休日のお出かけにも便利な場所にあるのが特徴です。
豊かな自然にも恵まれており、北には丹沢大山国定公園の西丹沢山系、南には酒匂川流域に足柄平野が広がっています。
町内には、丹沢を水源とする酒匂川、川音川、中津川が流れており、アユをはじめとする淡水魚の釣り地としても知られる清流となっています。
また、松田山では温暖な気候を利用して、みかんや茶の栽培もおこなわれています。
これらの豊かな自然を利用したレジャー・スポーツ施設、公園などが多い一方で、歴史ある神社仏閣なども多く、季節ごとに様々な祭りも開催されています。
自然の中に暮らしながら東京や横浜に通勤できる松田町は、便利な田舎暮らしを実現できる町と言えるでしょう。
このように多彩な魅力にあふれた松田町では現在、少子化対策として移住促進事業と定住少子化支援制度に取り組み、様々な移住・定住支援策を設けています。
移住促進事業では、自治体を紹介するパンフレットの作成、空き家バンクの運営を通じた住まい情報の提供、仕事や観光に関する情報の提供などをおこなっています。
また、移住希望者やまちに興味がある方を対象に、地元住民の方と交流しつつ、町内の地域支援を体験する移住交流体験ツアーも開催しています。
さらに、定住少子化支援制度としては、住宅開発・取得や教育、子育て、高齢者福祉に関する支援を実施しています。
これには、それぞれの分野に関する補助金制度や、教育・保育プログラムの充実、医療支援の充実などが含まれています。
このように、松田町は少子化対策として移住促進事業と定住少子化支援制度に取り組んでいますが、移住者の住居として空き家の購入や活用を促進する仕組みを取り入れています。
ここからは、松田町の移住・定住支援策の一環としての空き家の利活用に関する支援についてご紹介していきましょう。
神奈川県松田町で空き家を購入したい!松田町の空き家対策と空き家バンク
まずは、松田町の空き家発生予防事業と空き家バンク制度についてご紹介いたします。
松田町は空き家発生予防事業として、空き家対策に関わる費用負担の抑制、景観の保護、定住人口の増加を図っています。
空き家が発生する要因の一つに住宅所有者の死亡があり、高齢化が進めば空き家が増加することが懸念されます。
また、賃貸住宅における空室は、築年数が経つにつれて増加していく傾向にあります。
これらを踏まえ、松田町の空き家発生予防事業では、高齢者に対する空き家発生予防の意識を高め、国や県、民間団体が実施する賃貸住宅の活用を目的とした制度の周知を図ることで、空き家や空き室の発生予防に取り組んでいます。
たとえば、松田町では高齢者に向けて、持ち家を空き家としないための対策をまとめたリーフレットを作成し、こうした対策を含めた終活についての講演会を実施しています。
また、賃貸住宅の空室解消に向け、既存の賃貸住宅を利用した住宅セーフティネット制度や、住宅確保用配慮者の賃貸住宅への入居支援についての説明会も開催しています。
このような松田町の取り組みは、国土交通省により、平成29年度先駆的空き家対策モデル事業にも採択されています。
積極的に空き家対策に取り組んでいる松田町は、空き家バンクも運営しています。
松田町は、町内の空き家や空き地の所有者がこれらの家屋や土地の売却や賃貸を希望する場合に、松田町空き家バンクへの登録を受け付けています。
松田町のホームページ内にある空き家バンクには、こうして集められた町内の空き家や空き地、空室などの情報が、売却や賃貸向けの物件として掲載され、町内への定住などを目的として空き家の購入・賃貸を希望する方に向けて情報が提供されています。
こうして、松田町の空き家バンクは、空き家・空き地の所有者と物件の利用希望者をつなぐ架け橋となることで、空き家や空室、空き地対策として機能しているのです。
神奈川県松田町では空き家購入に使える補助金制度も充実!
移住・定住対策と空き家対策に力を入れている松田町は、その一環として空き家の購入や空室への入居などに対する補助金制度の充実を図っています。
最後に、松田町が実施する空き家・空き室に関する補助制度についてご紹介しましょう。
まずご紹介するのが、住宅取得促進奨励金交付制度です。
こちらの制度は、松田町において住宅を建築または購入する場合に、一定の要件を満たす方に対して住宅促進奨励金が支給される制度で、空き家を購入する場合にも利用できます。
交付対象の要件は、申請者および同居者が、申請時に町税などの滞納がないこと、取得住宅の延べ床面積が50㎡以上であることとなっています。
要件に該当する方が、建物の登記または住民登録が完了した日のうち、遅い方の日付から6か月以内に申請をおこなうと、10万円の奨励金が支給されます。
また、民間賃貸住宅家賃補助金交付制度では、子育て世帯や若年世帯の定住促進のため、松田町空き家バンクに登録された賃貸物件への入居に対して家賃の一部が補助されます。
交付対象となるのは、申請時に18歳以下の子を扶養し、同居する子育て世帯および申請時に世帯主が18歳以上40歳以下である若年世帯が、松田町空き家バンクに掲載された賃貸住宅に入居する場合です。
交付の要件は、入居から2年以上町内に定住する意思があること、税金滞納がないこと、自治会に加入していること、他の公的住宅扶助を受けていないことです。
これらの要件に該当する方が、対象物件への入居日から3か月以内に申請をおこなうと、上限を1万円として月額家賃の2分の1が、申請日の翌月から最大1年間支給されます。
また、築年数の古い木造の空き家を購入し、耐震診断や耐震改修が必要な場合には、木造住宅耐震診断補助制度や木造住宅耐震改修補助制度が利用できます。
これらの補助制度の対象となるのは、町民が所有し、居住する木造住宅のうち、昭和56年5月31日以前に建築確認通知書を受けた2階建て以下の一戸建て・2世帯または店舗併用住宅です。
耐震診断の補助制度では、上記の条件を満たす住宅への一般診断または精密診断の費用について、上限を7万円として費用の3分の2が支給されます。
耐震改修工事の補助制度では、耐震診断のうち一般診断または精密診断の結果が総合評点1.0未満であった住宅の耐震改修工事について、上限を50万円として工事費用の2分の1が支給されます。
この記事も読まれています|全国で2番目に人口が多い神奈川県が行う空き家対策の取り組み
まとめ
都内へのアクセスもよく、自然環境に恵まれた神奈川県松田町は、移住・定住促進対策と空き家対策に力を入れ、空き家バンクの運営や充実した空き家の購入などに対する補助金制度の運用に取り組んでいます。
東京・横浜に通勤しつつ、便利な田舎暮らしを実現したいとお考えの方は、空き家を購入して松田町に移住することをご検討してみてはいかがでしょうか。
全国空き家管理ナビでは、空き家の管理を行なう専門業者を検索できます。
空き家管理にお困りなら、ぜひこちらで頼れる業者を見つけてください!
住まいをお探しの方はこちらをクリック↓