空き家を管理することになり、ガスや水道、電気などの管理をどうすればよいかお悩みの方は少なくないのではないでしょうか。
特にガスについては、地方の空き家では屋外にガスボンベを設置するプロパンガスを使用していることが多く、維持し続けた場合のコスト面だけでなく、安全面での不安も無視できません。
そこで今回の記事では、空き家にプロパンガスが設置されている場合の対処方法についてご解説いたします。
01空き家のプロパンガスは停止すべき?維持した場合のコスト面やリスクをご解説
はじめに、空き家のプロパンガスは停止したほうがよいかについてご説明いたします。まず、空き家でガスを使用するのはどのような場合かについて見ていきましょう。
住宅でガスを使うのは調理や掃除、入浴などに火やお湯を使う場合で、空き家でこれらのことをする機会と言えば、管理のために泊まり込むなどのケースが考えられます。
ただし、泊まりがけでの管理でなく、掃除やお茶を入れるのにお湯を使う程度でしたら、電気ポットを持参すれば事足りますし、調理については食事を持参することもできます。
泊まりがけで入浴が必要でない限りは、電気と水道さえ通っていれば問題ないでしょう。
また、空き家のプロパンガスを維持した場合のコスト面について考えてみますと、ガスを解約しなくても月々1,700円程度の基本料金が発生します。
さらに、月1回空き家に泊まって管理をする場合のプロパンガスの料金については、基本料金に加えて従量料金が発生します。
1泊2日で入浴や調理を含めてガスを使った場合は、多めに見積もっても0,5立方メートル程度の従量料金となりますので、基本料金とさほど変わらないと考えて差し支えないでしょう。
この場合、基本料金が1,700円、さらに従量料金を500円×0.5として、合計で1,950円ほどとなります。
ただし、ガス料金に2,000円近く払うのであれば、ガスを解約して空き家の管理代行を依頼することを検討してもよいかもしれません。
また、プロパンガスの場合には、年間の使用量分のガスをボンベごと買い取り、後は月々の基本料金のみを買い取るという手段もあります。
ただし、空き家のプロパンガスを維持する場合のリスクとして、火災が挙げられます。
ガス管を通して各家庭にガスを供給する都市ガスと異なり、プロパンガスはガスボンベを住宅の外部に設置してガスの供給をおこないます。
地震などの災害時に屋外に設置されたボンベが倒れたり、破損したりすれば、ガス漏れの危険がありますし、火災の原因ともなります。
また、空き家での火災は発見が遅れがちとなり、被害が拡大する恐れもあります。
空き家が自宅から近く、頻繁に訪れることができないのであれば、安全面を考慮してガスを解約したほうがよいかもしれません。
02空き家を解体するならガスの停止は必須!プロパンガスの停止方法とは?
空き家を所有した際にガス使用の必要がないと判断した場合には、契約を解除することができます。すでに述べたとおり、空き家を残して管理していく場合でも、災害時などの安全面から空き家のプロパンガスは停止することをおすすめします。
すぐには判断しかねるという場合には、管理する上でガスを使う場面がないか様子を見てから判断することも可能です。
空き家を除去する場合には、火気がガスに引火して事故を引き起こす可能性がありますので、工事開始までにガスの契約を解除しておく必要があります。
そこで、ここからは空き家のプロパンガスの停止方法について触れておきましょう。
プロパンガスの契約を解除するには、ガス会社に連絡してガスボンベやガスメーターなどの関連機器を撤去してもらうことになります。
ガスボンベは必ず引き取ってもらうことになりますが、空き家を取り壊す場合には家屋に取り付けられたガスメーターを、また電話回線を通じてリモートで監視している場合にはそれらの関連機器や契約の解除も必要です。
いずれもガス会社の所有物となりますので、必ずガス会社に依頼して撤去してもらうようにしましょう。
ガス会社が機器の撤去を手配するまでには時間がかかりますので、特に空き家を解体する場合、工事までの時間の余裕をもって解約を申し込んだほうがよいでしょう。
通常であれば1週間前まで、引っ越しシーズンなどの繁忙期であれば遅くとも2週間前までには申し込むことをおすすめします。
解約前の使用料金の計算については、基本料金は日割りで、従量料金は使用料分の計算です。
ボンベのガス残量を確認し、後日料金が請求されるかたちとなります。
03空き家のプロパンガスを停止する際の注意点とは?
プロパンガスを停止する際には、いくつか注意すべきポイントがあり、これらを知った上でガスの契約停止または継続を決定することをおすすめします。そこで、ここからは空き家のプロパンガスを停止する際の注意点についてご紹介いたします。
1つ目の注意点は、一旦ガスの契約を解除してしまうと、改めて復旧する際に再工事が必要となる点です。
ガス会社の供給範囲から外れてしまえば、その空き家はガス会社の管轄外となります。
会社の管轄外であるにもかかわらず、ボンベやメーターなどを放置してガスが原因の火災や事故が起きた場合、ガス会社も責任の一端を負うことになってしまいます。
このため、契約を解除すればガス会社は必要機器を撤去し、空き家にガスを復旧したい場合には、費用を負担して再工事を依頼することになります。
注意すべき2つ目のポイントは、ガスメーターなど一部の機器を残す場合に機器の劣化が生じる可能性があるということです。
ガスの供給が止まり、長期間使用されない状態が続くと、不具合が生じたときにガス供給を停止するための安全弁やガスメーターは劣化し、故障にも気づきにくくなります。
このため、ガスの供給を再開する際には特に注意が必要です。
また、これらの機器類は4年ごとの検査が法律で定められており、ガス会社との契約を結んでいる間は会社側が無料で点検をおこないます。
しかし、ガスの契約を解除してしまえば、会社が実施する検査を受けることができず、そのままでは安全性が保障されなくなってしまうため、空き家の管理者の負担で点検を依頼することになります。
3つ目の注意点として挙げられるのが、契約内容によっては解約の際に違約金が発生する可能性があることです。
プロパンガスの供給会社はガス供給に必要な工事費を会社側が負担し、その代わりにその会社が供給するガスを使って使用料を払ってもらうという契約を締結している場合があります。
こうした契約を解約する場合に、機器や配管は会社が工事費用を払った会社の所有物であるといった理由で設備の買い取りを求められたり、違約金を請求されたりするケースがあるのです。
ガス会社との契約を解除する際には、必ず契約内容を見直しましょう。
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04まとめ
特に地方の空き家ではプロパンガスが設置されている場合が多いですが、ガスの供給を維持しておくとガス料金がかかるだけでなく、地震や火災の際のリスクが懸念されます。このため、空き家を頻繁に訪問することができないのであれば、プロパンガスの供給は停止したほうがよいかもしれません。
ただし、プロパンガスを停止する場合、再供給する場合の手間とコスト、機器の劣化、違約金の発生などの注意点もあります。
空き家のプロパンガスの停止を迷った場合には、現在の契約内容や今後の空き家管理の見通しなどを視野に入れて総合的に判断することをおすすめします。
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