空き家は所有者にとって実家や自宅であった場合が多く、家自体にもそこに置いてある家財道具などにも思い出があるためになかなか片付けが進まない、とお悩みの方は少なくないのではないでしょうか。
しかし、空き家を売却するにしても、手元に残して管理するにしても、まずは空き家にある不用品の処理が不可欠です。
そこで、今回の記事では、空き家の不用品を処理する方法についてご紹介します。
空き家の不用品を処理したい!空き家を放置するとどうなる?
始めに、空き家を放置しておくと起きる様々な問題について見ていきましょう。
建物は日ごろ使われていないと、急速に老朽化が進んでしまいます。
人が使っていなければ、頻繁に換気をするのが難しいため、湿気によりカビが発生し、害虫がわきやすくなります。
野良犬や野良猫、タヌキなどの動物が住み着いて、糞尿のにおいが染みついてしまうこともあります。
庭も放置されれば荒れてしまい、草木が伸び放題となって落ち葉が腐ったり、害虫が発生したりします。
このような状態になってしまうと、不衛生ですし、不動産としての価値がなくなってしまう恐れもあり、近隣の住民の迷惑にもなります。
さらに深刻なケースとしては、不審者が侵入して放火などの犯罪の温床となったり、老朽化が進んで倒壊の恐れが出たり、外れたパーツが飛ばされて近隣の家の窓を割ってしまったりと、地域の安全を脅かす原因にもなりかねません。
こうした問題の対策として、平成27年に「空き家対策特別措置法」が制定されました。
この法令により、行政は危険性があると判断した空き家を「特定空き家」に指定し、「特定空き家」に対しては行政指導をおこないます。
所有している空き家が「特定空き家」に指定されると、解体費用を負担せねばならず、また、減税対象から除外されるため、最大6倍もの固定資産税を払わねばなりません。
このように、空き家を放置しておくと、近隣住民の迷惑となる上、建物の不動産価値が下がり、税金を多く支払わなくてはならないなど、多くの問題が生じることになります。
このような事態を避け、空き家の整理や管理をしていくためには、その第一歩として空き家にある不用品を処理することが欠かせないのです。
空き家の不用品処理をどうする?費用を抑えたいなら自分でするのがおすすめ
それでは、空き家にある不用品はどのように処理すればよいのでしょうか。
空き家にある不用品を処理する方法は大きく分けて2つあります。
一つは自分で処理する方法、もう一つは業者に依頼する方法ですが、まずは自分で処理する方法についてご紹介しましょう。
できるだけ費用を抑えたいのであれば、自分でおこなうことをおすすめします。
まずは、家を掃除し、家の中にあるものを、保管すべき書類など取っておくべきものと不用品とに分けましょう。
さらに、不用品の中からまだ使用できるものと、古すぎたり壊れたりして使えないものとに分別します。
まだ使用できるものは、リサイクルショップに引き取ってもらったり、フリーマーケットやフリマアプリなどで売却したりするのが一般的ですが、公共団体に寄付するという方法もあります。
古すぎたり壊れたりして使えないもののうち、テレビ、冷蔵庫、洗濯機、エアコンは、家電4品目と呼ばれ、ほかの家具や小型家電とは区別されるので、注意が必要です。
これら4品目については家電リサイクル法で処分方法が決められおり、家電量販店に引き取ってもらうか、家電リサイクルセンターが指定した引き取り場所に持ち込むことになります。
家電量販店に引き取ってもらう場合、メーカーが指定するリサイクル料金1,500~4,000円程度に加え、収集運搬料金2,500~3,000円程度がかかります。
ただし、収集運搬費用については、引き取り業者ごとに異なりますし、家電のサイズや周辺の道路状況などに左右されますので、家電量販店に問い合わせて確認しましょう。
一方、指定引き取り場所に自分で持ち込む場合は、収集運搬料金はかかりませんので、リサイクル料金のみで引き取ってもらえることになります。
これら4品目以外の家具や小型家電で使えないものは、自治体のごみ回収サービスを利用することになります。
自治体の粗大ごみ回収サービスを利用する場合は、まず、ごみ指定袋等販売許可店に指定されているコンビニやスーパーマーケットなどで手数料シールを購入しましょう。
回収手数料は自治体により異なりますが、テーブルやベッドなどの大型家具が1,000~1,800円、椅子や電子レンジなどの小型家具・家電が300~700円となることが多いようです。
購入したシールを粗大ごみに張り付け、指定された場所と日時に出しておけば回収してもらえます。
また、パソコンや炊飯器など小型家電リサイクル法で指定された小型家電については、町中に設置された回収ボックスからも回収してもらうことができます。
粗大ごみ回収や小型家電回収ボックスの細かい利用方法は自治体により異なりますので、各自治体のホームページで確認しておくとよいでしょう。
意外と大変な空き家の不用品処理!面倒なら業者を頼ろう
空き家の不用品処理を自分でおこなう方法をご紹介してきましたが、掃除から始めなくてはならないため、不用品が多いとすべてを自分でおこなうのは大変です。
空き家がある場所が自宅から離れている場合は、時間を見つけてそこに通うだけでもかなりの労力となります。
また、家の傷みが激しいと、作業中に床や壁が損傷して思わぬ事故につながりかねません。
空き家の不用品処理が大きな負担になってしまう場合には、費用はかかりますが業者に依頼するのがおすすめです。
空き家の不用品処理をおこなってくれる業者には、様々な種類があります。
不用品回収業者は不用品の処分や買い取り、搬出だけでなく、仕分けや整理も引き受けてくれます。
リサイクル業者は、家財や小物を中心に買い取り、有料で処分や整理をおこないます。
不用品回収業者やリサイクル業者は不用品の買い取り、回収がメインですが、生前・遺品整理業者は手元に残したいものや遺品の整理をおこなう業者です。
仕分けの結果不要なものは処分し、室内の清掃まで請け負ってくれますので、費用は割高になりますが、残しておきたいものが多い場合は依頼するとよいでしょう。
さらに、空き家の片付けに精通した専門業者も存在します。
このような業者の主な業務は、必要なものと不用品の仕分け、不用品の回収と処理、家財の搬出、整理後の簡易清掃などです。
また、家の傷み具合などに配慮して家財を搬出してくれますし、業者によっては、庭の片付けから、不用品の買い取り、所有者の希望に応じた空き家そのものの処分やケアまで請け負ってくれます。
空き家片付け業者の費用は、1Rで30,000~80,000円、2LDKだと120,000~300,000円、3LDKだと170,000~500,000円と、荷物の量や立地、広さなどの条件によって、かなり幅があります。
また、業者やサービス内容によっても料金に差が出ますので、空き家片付け業者の利用をお考えの場合は、複数業者に見積もりを依頼し、金額やサービス内容が自分の希望に合った業者に依頼するとよいでしょう。
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まとめ
空き家の不用品処理方法には、費用を抑えるために自分でおこなう方法、業者に依頼する方法から、依頼する業者の種類まで、様々な選択肢があります。
空き家の不用品処理でお悩みの方は、今回の記事を参考にご自身にあった方法をご検討ください。
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