「相続で空き家を取得したけれど、活用方法がわからない」
「空き家を活用したいけど、ローンって利用できるの?」
空き家所有者のなかには、このような悩みをもっている方もいると思います。
そこで今回は、空き家の活用事例と利用できるローンをご紹介します。
まだ空き家の活用に向けて動き出せていない方は、ぜひチェックしてみてくださいね!
関連記事|空き家活用が難しいと言われるその理由は?どうやって解決する?
▼空き家活用の事例をご紹介!ローンを組まなくても活用できる?
人の住んでいない空き家を放置すると、デメリットが大きくなるのをご存知ですか?
所有する空き家が特定空き家に指定されると、固定資産税が最大で6倍にまで跳ね上がってしまうのです。
そうなると、せっかくの不動産がマイナスの資産となってしまいますよね。
所有者は、ぜひ空き家を活用してほしいと思います。
空き家を活用するうえで問題になるのは、資金の調達でしょう。
放置された年数の高い空き家ほど、修繕費用がかかるため、資金の調達が難しくなります。
しかし、修繕といってもどの程度までリフォーム・リノベーションするかによって、費用が異なります。
空き家の活用方法によっては、ローンを組まない程度の修繕で済む場合もあるでしょう。
そこでまずは、空き家をどの方法で活用したいか考えます。
空き家の活用方法は、主に4種類です。
1.空き家に自分で住む
せっかく家を手に入れたのなら、自分で住む選択肢もあります。
空き家活用の最も簡単な方法です。
大規模な修繕をしなくても身内程度なら住める状態であれば、居住するのも1つの手ですよ。
現在賃貸の家に住んでいる方なら、空き家に住むことで家賃負担がなくなります。
また、残りの2つの活用方法に比べて、時間と手間がかからないこともメリットでしょう。
2.空き家を貸す
2つ目は、空き家を貸す活用方法です。
空き家は築年数が古くても、修繕すればさほど問題のないケースがほとんど。
そこで、賃貸やシェアハウスの物件として、家賃収入を得る活用方法もあります。
初期投資として修繕費がかかるものの、家賃収入が入ってくることを考えれば、マイナスとはいえません。
しかし、マイナスを出さない活用をするなら、その空き家が物件として需要があるかどうか考える必要があります。
住居としての賃貸以外にも、活用方法はあります。
たとえば、景色のよい場所に立地していれば、カフェやレストランなどの店舗に貸しだすとよいでしょう。
観光地で立地条件がよければ、自らオーナーとなり民泊として活用してもいいかもしれません。
貸し物件にするには、ターゲットを明確にする必要があります。
自分の空き家は、どのように貸し出したら利益が出るのか考えてみましょう。
3.空き家を売却する
3つ目の活用方法は、空き家の売却です。
賃貸に比べて売却は、管理の手間がかかりませんし、固定資産税を払う必要がありません。
1度自分の手から離れてしまえば、維持などを考えなくて済むのが売却という活用方法ですね。
買主によっては、自分で家をリフォーム・リノベーションしたい方もいます。
そうなると、自分で修繕費用を出さなくてよいので、金銭的にも嬉しいですよね。
売却で成功するポイントは、活用を決めたらすぐ売却に向けて動き出すこと。
築年数が古くなるほど、他の付加価値がなければ売却は難しくなるためです。
また、需要のない土地は、いつまで経っても売却できないケースもあります。
その場合、他の活用方法も考えておいた方がよいでしょう。
4.空き家を解体して土地を活用する
空き家の老朽化が進み、建物としての活用が難しい場合は、土地を活用する方法もあります。
更地にするなら空き家の修繕費は必要はありませんが、空き家の解体費用が必要になります。
解体にかかる費用を取り戻すために、土地活用を考えてもよいでしょう。
▼空き家の活用にはいくらかかる?ローンは組むべき?
空き家の活用方法が決まったら、その活用にかかる費用を計算してみましょう。
空き家といっても、築年数や放置されていた年月によって修繕費用が異なります。
劣化の進み具合が気になる方は、専門の方に住宅診断を頼むことをおすすめしますよ。
ここでは目安として、空き家の活用にかかる資金の相場をご紹介しますね。
<部分的に修繕>
空き家に大きく目立った損傷がない場合、修繕は数カ所だけで済むでしょう。
修繕箇所の内容別に相場をみてみると、以下のようになります。
・壁紙交換(1千円/㎡)
・トイレ(20~50万円)
・お風呂(50~150万円)
・キッチン(50~100万円)
・外壁(50~350万円)
・屋根(50~350万円)
損傷の程度や、どのくらいまできれいにして活用したいかによって、金額に振り幅があります。
売却として活用する場合、先ほどお話したように買主自ら修繕したいケースもあるので、最低限のリフォームで済むでしょう。
その場合、ローンを組む必要はないかもしれません。
しかし、これから住む場合や本格的な修繕をして賃貸とした活用する場合は、ローンを組むことを考えてもよいでしょう。
これらの部分的な修繕を複数組み合わせた場合、500万円近くかかる計算になるからです。
これらに加えて築年数が古い場合は、耐震性や雨漏りの修繕なども必要になります。
耐震補強には約25~150万円、雨漏りの修理1箇所約1~45万円だといわれています。
また、放置されていた年月が長い場合は、シロアリの発生も疑いましょう。
劣化具合にもよりますが、シロアリの駆除には約30~300万円かかります。
<フルリフォーム>
部分的な修繕ではなく、空き家を全体的に修繕する選択をする方もいるでしょう。
空き家の劣化が進んでいる、または、家の構造を変えて店舗として活用したいなど、理由はさまざまです。
この場合、水回りの場所の入れ替えや、部屋の配置や内装の変更など大規模な修繕になります。
そのため、工事期間と費用に注意しましょう。
全体的にリノベーションする場合、空き家活用に関する助成金だけでは足りない可能性があります。
資金にはゆとりをもって、ローンを組むことも視野に入れるとよいでしょう。
リノベーションの目安額は、マンションで約250~1,000万円。
戸建てなら約500~2,000万円といわれています。
しかし、これはあくまでも目安の金額です。
先ほど述べたように、空き家はそれぞれ個別的に事例が異なります。
空き家の活用方法が決まったら、ローンを考える前に空き家の修繕が得意な業者や不動産会社に相談してみることをおすすめします。
▼空き家を活用する際に利用できるローンとは?
「空き家の修繕費用が思ったよりかかりそう。ローンは組めるのかな?」
このように心配している方もいるのではないでしょうか?
自分が住む場合でも、賃貸として活用する場合でも、空き家活用に利用できるローンはあります。
ここでは、ローンを利用できる条件や金額などについてご紹介しますね。
金融機関やローンの内容によっても異なりますが、目安として参考にしてみてください。
<ローンを利用できる条件>
・満20歳以上で、完済時に満75歳以下の方
・安定、継続した収入の見込める方(年金受給者やパート、アルバイト、派遣社員の方も対象)
・空き家の所有者が本人またはその家族
<ローンの使い道>
・空き家解体資金
・空き家を賃貸するための改築・改装資金
・空き家解体後の駐車場等の造成資金
・空き家の防災防犯上の設備対策資金
<融資金額>
10万円以上500万円以内(1万円単位)
<金利>
変動金利と固定金利のいずれかを選択する場合、または変動金利のみの機関もあります。
通常金利は約3.5%で、最低金利が約2.5%程度になります。
<期間>
6ヵ月以上10年以下
<返済方法>
・元利均等月賦返済(毎月一定額を返済する方法)
・ボーナス時増額返済併用(6ヵ月毎のボーナス時に月の返済額を増額して返済する方法)
<担保・保証人>
原則不要(審査によっては連帯保証人が必要になる場合あり)
<必要なもの>
・本人確認書類
・通帳
・印鑑
・所得証明書類(源泉徴収票や確定申告書など)
・登記簿謄本
・工事の見積書や契約書など資金の使い道がわかるもの
空き家の解体、改修の費用や、解体後の土地活用のための費用など、空き家関連のローンは、さまざまな金融機関で展開されています。
お近くの機関をチェックしてみるとよいでしょう。
▼まとめ
いかがでしたか?
今回は、空き家を活用したい方向けに、活用方法や改修にかかる費用、ローンなどをご紹介してきました。
空き家の放置は税金や維持費もかかり、デメリットが大きいといわれています。