近年、大雨や台風による水害が日本各地で発生しています。
その被害がニュースで報道されるのを見て、不安に感じている方もいることでしょう。
土砂崩れや水難事故など心配なことが重なりますが、さらに危険なことがもうひとつ。
それが雷です。
家に雷が落ちるとどうなるのかご存知ですか?
そして、放置された空き家はさらに危険なことをご存知ですか?
今回は、その疑問を解決できるような記事となっています。
空き家に雷が落ちる前に、どのような対策を取ることができるのかもご紹介しますよ。
▼家に雷が落ちるとどうなる?マンションより戸建ての方が危険?
建築基準法第33条には、このように定めがあります。
「高さ20メートルを超える建築物には、有効に避雷設備を設けなければならない。ただし、周囲の状況によって安全上支障がない場合においては、この限りではない。」
つまり、高さが20メートル以上ある建物には、避雷設備をつけることが義務付けられているんですね。
避雷設備とは、主に「避雷針」のことです。
避雷針とは、雷から建物を守ってくれる仕組みのひとつ。
屋根の上から突き出ているアンテナのようなものです。
東京タワーや大きな石像などにも設置されています。
20メートル以下の建物なら避雷針が必要ないのかといえば、そうでもありません。
義務付られていないだけで、雷が落ちる危険性はあるんです!
では、一般の家に雷が落ちたらどうなるのか…考えたことはありますか?
雷は、屋根から壁をつたって地面に電流を通します。
そのため、壁の近くにいると「側撃雷」を受ける可能性があります。
家の中にいても、間接的に雷の被害を受けることになるんですね。
雷の被害を避けるためには、落ちてからでは遅いです。
「雷が鳴ったら壁に近づかない」ことを意識しましょう。
天井が低い場合や、家電が近くにある場合も注意が必要だといわれています。
また、家に直接落ちていなくても、雷の被害に遭うこともあります。
「雷サージ」による影響です。
木や地面に落ちた雷は、その周辺にも高い電圧が発生します。
その電流が電柱や電話線などをつたって、建物の中に入り込むことがあるんです。
雷サージのなかの「誘導雷サージ」とよばれる現象です。
家電機器や通信機器が故障する恐れにつながります。
誘導雷サージは外部とつながっている電線から伝わってくるので、雷が鳴ったら電源ケーブルをコンセントから外すことで対策できます。
▼空き家を放置することで起こる危険ってなに?
ここからは、放置された空き家の危険性について、雷と絡めながらお話します。
また、空き家が雷以外にも危険な影響を及ぼすことも説明します。
<危険その①雷から火事になるかもしれない…>
このように、雷は家に直接落ちなくても危険なんですね。
では、空き家の場合はどうなるのか考えてみましょう。
空き家に直接雷が落ちた場合や、電線をつたって電流が流れた場合を想定します。
過剰な電流がアンテナなどを通して電線に流れ込むと、火事になる危険があるんです。
空き家などの人が住んでいない家の場合、手入れが行き届いていないことがほとんどですよね。
その場合、コンセントに埃がたまっていることも珍しくありません。
その埃に、引火する危険があります。
また、空き家の中に家財道具が残ったままなら、コンセントに接続している家電製品がショートし、出火する可能性もあります。
空き家の危険はそれだけではありません。
<危険その②空き家が倒壊してしまったら…>
落雷が起こるような荒れた天気なら、台風や大雨といった自然災害が同時に発生している場合もありますよね。
放置された空き家は、建物自体ももろくなっていると考えられます。
そのため、自然災害により建物が倒壊する危険性も出てきます。
倒壊とまではいかないにしても、屋根が飛んだり、倒木したりなどはありえる話ですよね。
屋根が飛んで隣の家に当たったら?
倒木により通行人の迷惑になったら?
考えられる危険はさまざまです。
これらの影響が他人の迷惑になると、損害賠償の問題にまで発展する恐れがあるんですよ。
<危険その③犯罪に巻き込まれる可能性もある>
その他にも、空き家を放置することで治安上よくないことが発生します。
人の出入りがない放置された空き家は、犯罪者や不法侵入者が住み着きやすいといわれています。
そのため、犯罪の温床となる可能性があるんですね。
具体例として薬物栽培があります。
手入れのされていない生い茂った庭は、犯罪者に利用されるリスクを高めることになるでしょう。
また、放火の危険もあります。
さきほど説明した雷による火災より、犯罪による火災の発生の方がより身近に感じるのではないでしょうか。
このように、放置された空き家には危険が潜んでいます。
たとえ住んでいなくても、所有者として責任をもって管理する必要がありますよ。
▼空き家でも入れる保険があるってほんと?
空き家を放置すると危険度が高まることは理解できたかと思います。
ここからは、火災保険に加入することで空き家の危険を対策できることを説明します。
<空き家でも入れる保険は火災保険>
人が住んでいる通常の家は、火災保険に加入していると思われます。
火災保険により、火災をはじめとしたさまざまな事故による損害を補償することができるからです。
それがこちら。
・風災
・落雷
・雪害
・水災などの自然災害
・盗難、破損
・汚損等さまざまな事故
火災保険は、このような事態にも適用されるんですね。
空き家の場合、自然災害をはじめとした事故が起きやすいことは説明しました。
空き家でも火災保険に入れるなら、入りたいと思った方もいるでしょうか?
結論からいうと、空き家でも火災保険に入ることができます。
ただし、事故のリスクの度合いが一般の住宅と比べて高いため、保険の種類と保険料が異なります。
空き家は一般的に、住居物件だと考えられていますよね。
しかし、火災保険の契約上は居住用だとみとめられません。
店舗や事務所と同じ扱いになるので、住宅物件の火災保険には入れないんですね。
空き家は、一般物件として加入するのが一般的だといわれています。
一般物件の火災保険は、住宅物件の火災保険より保険料が高くなっていますよ。
また、空き家の場合でも、住宅物件の火災保険に加入できることもあります。
それは、このような場合です。
・転勤などにより一時的に空き家になった場合
・空き家に家族や親族が定期的に寝泊まりし、管理している場合
・別荘のように季節によっては住居として使用している場合
具体的な事例をあげるときりがないのです。
つまり、「この空き家は住宅物件かどうか」の判断基準は、保険会社の裁量によるものが大きいといえます。
自己判断せずに、保険会社に相談してみましょう。
注意しておきたい点があります。
それは、あまりに放置した期間が長く、老朽化してしまった場合です。
空き家が廃屋のようになっている場合は、火災保険に加入できないこともあります。
人が住めないほどに老朽化が進んでしまった空き家は、売却や賃貸での活用も難しいといえます。
自分でリノベーションをして住みなおすなら話は別ですが、火災保険にも入れないようなら、はやめに処分した方がよいでしょう。
活用しない空き家は、所有しているだけでデメリットが大きいもの。
先ほど話したリスク以外にも、固定資産税や管理費などの維持費がかかるため、金銭的にも負担になります。
固定資産税は最大で約6倍にまで上がる危険があるんです。
放置された空き家を所持しても、あまりメリットは望めません。
▼まとめ
いかがでしたでしょうか?
今回は、空き家に雷が落ちることの危険性と、放置された空き家のリスクをご説明しました。
活用する予定のある空き家なら、手入れを維持し、火災保険に加入することをおすすめします。
そうでないなら、はやめの処分を検討してみてはいかがでしょうか。
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空き家で何かお困りのことがありましたら、ぜひご利用ください。