現在、社会問題のひとつとなっている「空き家問題」。
物件の所有者や、これから相続する可能性のある人にとっては、身近な問題ともいえます。
この記事では、今一度空き家問題について簡単に現状をご紹介するとともに、参加者にとって貴重な体験となる空き家イベントについてご紹介します。
とくに、9月に実施される予定のイベントは要チェックです。
関連記事|1月に開催される空き家イベント|1月はこのイベントで空き家を体験しよう!
▼他人ごとではない?「空き家」問題の概要と各地で開催される関連イベント
<これからの日本にとって身近に迫る「空き家問題」>
誰にも利用されない住宅が増え続け、そのまま放置され、地域にとってよくない影響をおよぼすと問題視されているのが「空き家問題」です。
現在、すでに多くの住宅が空き家となっていますが、年々、その割合は増えています。
すべてが周辺住民に被害を出すわけではありませんが、今後も増加が予想されており、理解を深めておきたい社会問題といえそうです。
<空き家が増え続けるのはなぜ?>
増え続けている背景から、2つの現状が見えてきます。
ひとつは、高齢者が老人ホームや子世帯の住宅に転居し、自宅だった場所に住む人がいなくなってしまうケースです。
これから、団塊の世代の高齢化にともない、このケースがますます増えると考えられています。
地域に住む人々が離れていくと、そのエリアは電気や水道などインフラの維持が困難になり、続いてスーパーや病院など生活に必要な各種施設が撤退…。
地域は活力低下の悪循環に入ってしまう可能性も。
また、相続で引き継いだ実家など、所有者が管理や活用に問題を抱えてしまう場合も少なくありません。
相続した実家に大切な思い出がある、実家が遠すぎるなど、利活用するにも何らかの障壁になる理由があって、結果的に放置してしまうこともあります。
たとえ相続した所有者が売却などに前向きであっても、親族からの反対を受け、利活用されないケースもあります。
放置された空き家が増える背景にはさまざまな理由があり、所有者の心情や事情も複雑です。
しかし利活用しない場合でも、老朽化などによる危険性がでてくるので、本来は「適正管理」がとても重要です。
<「空き家」が身近な問題になってしまう理由>
適正管理がされていないと、周辺地域へ悪影響を与える可能性があります。
放置されている間に高く伸びた雑草は、景観を損ねるだけでなく、害虫の発生や不法投棄などを招く原因のひとつです。
また老朽化した建物が小さな地震や台風でも倒壊するケースや、放置された家は不審者の侵入や放火など犯罪のターゲットにされる危険性もあります。
空き家問題の解決のために、2015年に「空き家対策特別措置法」が施行されました。
法律上、1年間であった人の出入りや、ライフラインの使用状況などをみて、「空き家」かどうかが判断されます。
この法律をきっかけに、適正管理がされていない建物に対しては、自治体が敷地内の立ち入り調査や、所有者への指導もできるようになりました。
国や自治体が真剣に対策を進めていることからも、重要性が伝わってきますね。
あわせて読みたい|放置された空き家を減らせ!空き家等対策の推進に関する特別措置法とは?
<参加することで空き家対策になる!?「空き家イベント」ってなに?>
社会背景をうけて、現在、各地で参加しやすい「空き家イベント」が実施されています。
空き家イベントでは、各種相談会や活用セミナー、物件見学ツアーなどが行われています。
「はやいうちに相談したい」「売却を検討している」など、目的にあわせて選んで参加するよいでしょう。
さまざまな不動産のプロからアドバイスや情報を得る貴重な機会です。
探し方としては、『空き家
イベント』で検索すると、地域のイベント情報サイトや、不動産情報サイト、自治体のホームページからも情報が得られます。
また実施のタイミングもあるので、参加を希望するイベントの情報が得られないときなどは、不動産会社に気軽にたずねてみるのもおすすめです。
▼人気の空き家イベント事例を紹介!9月に体験できる開催情報も要チェック!
実際にどのようなイベントが催されているのか、好評を博した事例をご紹介します。
ぜひ、過去の開催事例を参考に、体験してみたいイベントをご検討ください。
9月の情報も後述しています。
<開催事例1:「空き家問題と相続トラブル」>
東京都墨田区で実施されたこちらのイベントは、セミナーと相談会の2部構成でした。
空き家をもつ親世代と、今後受け継ぐ可能性がある子世代が一緒に参加でき、話し合うきっかけになると好評を得ました。
セミナー講師は、空家・空地管理士をもつプロが、参加者の立場になってわかりやすく解説。
参加者は、そもそも空き家問題とは?などの基礎から、適正管理や相続前にすべきことまで、幅広い知識の吸収を体験しました。
<開催事例2:「空き家と住まいの勉強会」>
「利活用に関する支援について」などを専門家がレクチャーするイベントとして東京都豊島区で催されました。
豊島区では2014年から、空き家や空き店舗などの活用への積極的な取り組みをおこなっており、このイベントでも興味をもつ人に有益な情報を提供。
空家活用支援事業者として選ばれた2人の事業者が、プロならではの目線や情報を織り交ぜて講義しました。
とくに、豊島区の空家活用条例や、空家活用登録制度の利用メリット、支援事業者がどんな事業を展開しているかなど、普段は知る機会の少ない内容についても触れられ、参加者の満足度の高いイベントとなりました。
事業者による勉強会なども、幅広い知識を得たいときに有意義ですね。
<これから開催予定のイベント>
2020年9月に各地で実施される予定のおすすめイベントをご紹介します。
とくに各分野の専門家への相談が体験できるイベントは、取り組みの第一歩として有意義です。
※コロナウイルスの影響から開催が危ぶまれている可能性もございますので、詳しくはお調べください!
●東京都杉並区「専門家による空家等総合無料相談」
開催日:2020年9月17日(木)※要予約
場所:杉並区役所西棟2階 区民相談室(第2相談室)
概要:弁護士、建築士、宅建士が相談員となり、さまざまな疑問や悩みに、個別で相談を受け付けます。
対象者は、杉並区内の物件や、将来的に可能性がある建築物の所有者などで、親族や代理人の方の参加も可能です。
定期的に開催されており、1日3組限定となっております。
予約法など詳細は、杉並区HPをご確認ください。
●山口県下関市「空き家対策説明会・個別無料相談会」
開催日:2020年9月19日(土)※個別相談会は要予約
場所:川中公民館
概要:所有している人や今後所有する予定がある人、管理する人にとって、有益なイベントです。
とくに説明会では、空き家に関する補助金の情報や、空き家対策特別措置法についても、職員がわかりやすく解説してくれます。
説明会への参加は事前予約も不要です。
あわせて、専門家である宅建士と司法書士による個別相談会も実施されます。
予約法など詳細は、下関市役所へお問い合わせください。
●大分県大分市「大分市空き家相談出張窓口」
開催日:2020年9月17日(木)※予約不要
場所:J:COMホルトホール大分1階まちづくり情報プラザ
概要:所有者や管理者だけでなく、空き家の近隣に住む人や関わりをもつ市民を幅広く対象としたイベントです。
利活用や管理についてのさまざまな疑問や悩みに、大分市職員がていねいに対応します。
予約不要なので、気軽な参加体験も可能です。
詳細は、大分市役所へお問い合わせください。
▼まとめ
最近は、オンラインでも参加できる各種イベントが増えています。
空き家イベントにもオンラインでの体験が可能なものがあり、開催地が居住エリアと違う場合でも、WEBから参加できるかもしれません。