増加傾向にあり、深刻視されている空き家問題。
空き家を売却したいけどなかなか売れず、無料でいいから譲渡したいというオーナーもなかにはいるとのこと。
空き家といえども、れっきとした不動産ですが、本当に無償で空き家を譲渡してもらえることなどあるのでしょうか?
この記事では、空き家を無償や安い価格で譲渡してもらえる、空き家の譲り受け方について説明します。
とくに田舎や地方での暮らしを希望している方は、ぜひ空き家の無償譲渡についてチェックしてみてくださいね。
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▼空き家を無償で譲渡されるケースは存在するのか
最近は、田舎暮らしや離島暮らしなど、都会から離れてのんびりゆったりとした生活を送りたいという方が増えています。
日本全国で空き家の数が増えており、深刻な社会問題となっていますが、空き家が多いのはまさに過疎化が進む田舎や離島といったところです。
そのため、田舎暮らしのために、空き家バンクなどで破格の空き家を探しているという方も多いようですね。
なかには空き家を無償で譲渡してもらうケースもあるそうですが、本当なのでしょうか?
<空き家の無償譲渡は実在する>
結論からいうと、空き家の無償譲渡は実際に行われることがあります。
誰も住んでいない空き家であっても、所有していると税金や維持管理費がかかるため、無償でもいいから空き家を譲渡したいというオーナーもいるのです。
事実、立地条件の悪い地方の田舎や離島などは、人口が減少しており、どんなに安い価格で空き家を売りに出しても、売却できないという状況が多々あります。
田舎や過疎化の進んだ地方などでは、自治体により、空き家バンクを通じた売却や賃貸物件への活用のほかに、一定の条件をつけて、無償譲渡物件を取り扱っているところもあります。
無償譲渡とは、文字通り空き家の所有者から空き家や土地を無償で譲り受けることです。
空き家の無償譲渡は、自治体や個人によって行われますが、そのほとんどの物件は、なんらかの事情により、どんなに価格を下げても売れなかった物件です。
空き家の無償譲渡は、なんといっても無償で家を手に入れることができるのが大きなメリットです。
しかし、空き家の無償譲渡はメリットだけではなく、注意したい点もたくさんあります。
<空き家無償譲渡の注意点>
中古住宅を売買する場合には、不動産仲介会社が間に入り、仲介手数料を払う代わりに、さまざまな手続きをサポートしてくれます。
空き家の無償譲渡の場合は、無償であるため、不動産会社が仲介に入ることは皆無です。
無償譲渡のため不動産会社は仲介手数料を得ることができないからですね。
そのため、手続きなどを空き家の所有者とダイレクトに交渉しながら譲渡契約書を作成したり、登記に必要な書類を集めたりしなければならず、これがなかなか大変です。
また、空き家の無償譲渡は、空き家の価格に関しては無償ですが、贈与税や登記費用などの諸経費はかかります。
無償譲渡される空き家は、築年数がかなり古い物件が多く、そのままの状態では住むことができないようなものも多いです。
無償譲渡される空き家は、古くて傷んでいるだけではなく、売りたくても売れないという物件であるため、立地条件がものすごく悪かったり、事故物件であったり、差し押さえになったりしている物件であるケースも多いのが実情です。
そのため、無償譲渡で空き家をもらったけれど、家財道具の処分費用やリノベーション、リフォーム費用がかなりかかってしまい、結果的に高くついてしまったというケースも少なくありません。
空き家の無償譲渡は、メリットだけではなく、さまざまなデメリットがあることもしっかりと理解したうえで、譲り受けるようにしましょう。
▼空き家はどう探せばいい?譲渡可能な空き家の探し方
田舎で物件を探しているから、無償譲渡してもらえる空き家を探しているという方もたくさんいます。
無償で譲渡してもらえる空き家は、どんなふうにして探せばよいのでしょうか?
無償で譲渡してもらえる空き家の探し方についてみていきましょう。
<空き家バンクを利用する>
空き家バンクは、深刻化する空き家問題を解消するための対策のひとつです。
所有している空き家を売りたい、貸したい所有者を募集し、その空き家に関する情報を利用したい人に提供して、空き家の利活用を促進します。
空き家バンクは、自治体が運営しており、空き家の活用と移住・定住を促すことを目的としています。
どんなに価格を下げても売れないような空き家は、空き家バンクで無償譲渡により紹介されることもあるかもしれませんが、ほとんどないと考えておいたほうがよいでしょう。
ただし、空き家バンクでは、一般的な不動産会社を介すよりも、かなり安い価格で空き家を購入、賃貸できる可能性は高くなります。
住みたい地域の空き家バンクの情報をチェックすることで、無償譲渡の案件に出会えることがあるかもしれません。
<地域の人に直接交渉してみる>
移住、定住したいと考えている地方や田舎に直接出向いて、自分で空き家を探して直接交渉する方法です。
しかしこの方法は、実現するのは難しいでしょう。
過疎化が深刻で、移住・定住者を推進しているエリアの自治体であれば、その自治体に相談を持ちかけると、空き家を所有している人や空き家の情報などを提供してもらえる可能性があります。
▼空き家を安く譲渡してもらえる?空き家ゲートウェイとは
空き家の無償譲渡物件にめぐりあうのは、なかなか難しいものですが、破格で空き家を購入できるマッチングサイトがあります。
なんと100円で空き家が購入できると話題となっているのが、「空き家ゲートウェイ」です。
「空き家ゲートウェイ」は、「タイニーハウス」や「モバイルハウス」に関するメディア運営・企画開発を行なっている「YADOKARI株式会社」と、「株式会社あきやカンパニー」が運営する空き家流通サービス「カリアゲJAPAN」が連携して作られました。
案外多い、空き家を手放したい所有者がその空き家情報を提供し、空き家を利用したい、使いたい人とのマッチングを容易にします。
「空き家ゲートウェイ」の仕組みは、サイトに空き家情報を掲載したい所有者が査定を依頼します。
査定の結果、「100均物件」と確定されたらサイト上にその空き家情報が掲載されます。
そして、その空き家を購入したい人が応募し、希望者のなかから空き家所有者が購入者を選ぶという流れになっています。
「空き家ゲートウェイ」に掲載される空き家物件の特徴は、「手放したいけれど売れない物件」であることです。
そのため、空き家にある程度の価格がつくような資産価値のある物件は、「空き家ゲートウェイ」には掲載されません。
また、「空き家ゲートウェイ」のサイトでは、空き家物件紹介タイトルや内容がとてもユニークなものになっており、空き家の悪いところもポジティブに変えていきたいという気持ちが伝わります。
ひとつの空き家物件に対して、150件から200件の希望者が殺到しており、かなりの反響を呼んでいます。
空き家所有者の負担はほとんどなく、成約時の手数料もかかりません。
空き家購入者の必要経費は、空き家の修繕費用、手続きのための費用、固定資産税の分担などがありますが、だいたい100万円くらいでおさまることが多いと言われています。
常識にとらわれるのではなく、空き家の可能性や価値をいかに見いだすことができるかによって、空き家をもっと上手に利用できるのではないでしょうか?
▼まとめ
空き家の無償譲渡は、売買代金はゼロですが、税金や諸費用はかかります。
もともと、売りたくても売れない物件であるため、注意点もたくさんあります。
しっかりと検討してから、空き家の無償譲渡を受けるようにすることが大切です。
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空き家で何かお困りのことがありましたら、ぜひご利用ください。