誰も住んでいない空き家の数が年々増加しており、社会問題となっていることはニュースなどでも頻繁に取り上げられるため、ご存知の方も多いでしょう。
なかなか管理やお手入れができない空き家に久々に行ってみたら、排水口や水回りから強烈な匂いが発生していたということは、よくあります。
排水口の匂いが空き家中に染み付いてしまうと、匂いを除去するのはとても大変です。
そこでこの記事では、空き家の排水口や水回りから発生する悪臭の対策や対処方法について説明します。
悪臭が発生する原因を把握して、しっかりと空き家の排水口対策を行いましょう!
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01空き家及びマンション長期不在時の排水口匂い対策方法
誰も住んでいない空き家は、定期的な管理やお手入れを行わないと、建物の劣化が進んでしまいます。窓を開けて風を通したり、日光を取り入れたり、清掃を行なったりすることで、空き家の環境を良好に保つことができるのです。
長期間、管理やお手入れを行なっていなかった空き家に入った途端、強烈な悪臭が部屋中に漂っていることがあります。
こういった空き家のイヤな匂いの原因のほとんどは、排水口や水回りから発生しています。
空き家の管理では、清掃なども重要ですが、忘れてはならないのが、通水です。
通水とは、定期的に水道管に水を流すことです。
空き家の場合、1ヶ月に1分以上、空き家内にあるすべての蛇口をひねって、水を出しっぱなしにするようにしましょう。
長期間空き家の通水を行なっていない場合、水道管が錆びてしまい、ダメージを受けてしまいます。
通水をしばらくの間行なっていない空き家の水道の蛇口から、赤茶色の水が出てきたら、水道管のサビが進行している可能性が高いです。
空き家の水道管が破損してしまうと、高額な修理費用や交換費用が必要になってしまいますので注意しましょう。
また、空き家の通水を行うことは、水道管の破損を予防するだけではなく、水回りや排水口からの悪臭を防ぐ効果もあります。
のちほど詳しく説明しますが、水道管の「排水トラップ」の水がなくなることが原因により、排水口や水回りから下水のイヤな匂いが発生してしまいます。
この「排水トラップ」の水がなくなると、悪臭だけでなく、ゴキブリやネズミなどが侵入しやすくなるため、空き家が害虫や害獣の被害にも遭いやすくなります。
「排水トラップ」の水は、5月〜10月ごろの気温が高い時期だと、わずか2週間で蒸発してなくなってしまいます。
そのため、比較的多い頻度で、空き家の通水を行うことが、排水口や水回りからの悪臭を防ぐことができる、一番の対策です。
しかし、空き家が自宅から離れた場所にあり、頻繁に管理や通水することができない場合は困りますよね。
排水口に入れるだけで「排水トラップ」の水がなくなるのを防ぐ薬剤もありますので、空き家の管理のひとつとして、利用すると部屋の中に悪臭がただようのを防げます。
02どうすれば匂いが消える?空き家の排水口トラブルの対処方法
「排水トラップ」の水がなくなることで、排水口や水回りから強烈な悪臭が漂います。定期的に水を流し、常に排水トラップに水がある状態を保つことで、排水口や水回りからの悪臭を防ぐことができます。
しかし、すでに「排水トラップ」の水が蒸発しており、悪臭が漂ってしまっている場合は、そのあとに通水を行なっても悪臭を取り除くことはできません。
排水口の匂いの原因は、「汚れが蓄積している」、「排水ホースが破損している、または隙間ができている」、「排水トラップに水が入っていない」の3つです。
まずは「排水トラップ」の清掃を行い、そのあとに水を流すようにしましょう。
ブラシやスポンジを使用して、排水口内の汚れを落とします。
汚れが除去できたら、重曹をふりかけます。
クエン酸をお湯に溶かし、排水口に注ぎます。
そうすると泡が発生しますので、そのまま30分ほど放置したあと、お湯で洗い流します。
排水口に汚れが残っている場合は、スポンジでこすって落としてください。
また、手が届かない奥の方に汚れがある場合は、市販のパイプクリーナーなどを使用して、パイプ内の汚れを落とすとよいでしょう。
排水口の清掃と通水により、少しずつ排水口からの悪臭は消えますが、掃除や通水をしばらく繰り返しても、悪臭が消えないこともあります。
そのような場合は、水道管が破損している、つなぎ目に隙間がある可能性が高くなります。
水道管の修理は自分で行うことは難しいため、水道工事業者に点検・修理を依頼するのがベストです。
水道業者に依頼すれば、悪臭の原因にしっかり対処しながら清掃や修理を行なってくれるため、安心ですよ。
空き家の通水など、自身で定期的な管理が難しい場合は、管理会社などに委託をお願いすることも検討したほうがよいでしょう。
03空き家や長期不在の家の排水口から匂いが漏れる理由
空き家や長期不在の家の排水口から、イヤな匂いが発生し、ひどい場合は近隣までその悪臭が漂ってしまうこともあります。なぜ排水口から強烈な悪臭が漂うのか、その原因について詳しくみていきましょう。
排水口には、「排水トラップ」というものがあり、そこに水をためておく仕組みになっています。
「排水トラップ」に溜まっている水のことを「封水」といい、キッチンや洗面台、浴室の排水口と、下水道が直接つながらないようにするふたの役割を果たしています。
つまり、排水口にふたをすることによって、下水道からの強烈な悪臭が上がってこないようにしているのです。
長期間不在にする家や空き家の場合、長い間排水口に水を流していないため、「排水トラップ」の水が蒸発し、なくなっている状態になってしまっています。
悪臭を防ぐためのふたの役割をする封水が切れてしまっているということです。
「排水トラップ」の封水がなくなってしまうと、ふたがなくなってしまい、下水道と排水口がダイレクトにつながってしまいます。
そのため、下水道の強烈な悪臭が排水口まで逆流してしまい、排水口から空き家の中にイヤな匂いが漂ってしまうのです。
下水道の匂いだけでも強烈ですが、「排水トラップ」の水がなくなると、カビも発生しやすくなり、カビやそのほかの雑菌類のイヤな匂いも発生し、部屋の中に充満します。
さらに、「排水トラップ」に水がなくなると、排水管を通って空き家の中に、ゴキブリやネズミが侵入しやすくなります。
コバエも発生しやすい状況になり、空き家の中がとても不衛生な状態になってしまいます。
ネズミなどの害獣が空き家に住みついてしまうと、部屋の中に糞尿を撒き散らしてしまうため、それだけでもかなりの悪臭が発生してしまいます。
ネズミの糞尿の匂いだけでも強烈ですが、排水口の匂いを混ざると、さらに強烈な匂いになり、空き家周辺の近隣まで悪臭がただよってしまい、ご近所トラブルに発生してしまうケースもあります。
空き家の排水口からの匂いを防ぐ対策は、定期的に水を流し、「排水トラップ」に常に水が溜まっている状態にすることと、排水口の清掃につきます。
排水トラップの封水切れを防ぐための薬剤などを使用して、排水口からの悪臭を防ぐのもひとつの手段です。
排水口からの悪臭が部屋の中に染み付いてしまうと、その匂いは簡単には取れません。
水道の水を定期的に流し、清掃することで、空き家の排水口の匂いを防ぐことができるため、空き家管理のときには忘れずに通水を行うようにしましょう。
部屋の中に悪臭が漂っている、ネズミやゴキブリが住みついているなどの問題がある家を借りたい、買いたいという人はいないでしょう。
将来的に空き家を利活用すること考えて、適切に空き家の管理やお手入れを行うことがとても重要です。
04まとめ
空き家の排水口からの匂いの原因のほとんどは、排水トラップの水がなくなってしまうことです。定期的に通水を行うことで、排水口からの悪臭を防ぐことができます。
自身で空き家の管理が困難な場合は、管理会社などに委託を依頼するのがおすすめです。
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空き家で何かお困りのことがありましたら、ぜひご利用ください。