少子高齢化やライフスタイルの変化にともない、日本では住み手のいない空き家の数が年々増加しており、大きな社会問題として取り上げられています。
国や自治体は、空き家問題を解消するためにさまざまな支援や取り組みを行なっており、空き家を利活用することを推進しています。
近年、空き家利活用ビジネスも増えてきましたが、今注目されているのが「ハンモサーフィン」というシェアリングサービスです。
そこでこの記事では、空き家を利用した話題のハンモサーフィンについてご紹介します。
ハンモサーフィンは、空き家の活性化につながるのでしょうか?
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▼リモートワーカー・テレワークに活用されるハンモサーフィンとは
ハンモサーフィンは、一般社団法人ハンモサーフィン協会が運営する空き家利活用シェアリングサービスです。
ハンモサーフィン協会は、2015年6月に徳島県美馬市脇町にある、「うだつの町並み」からにはじまりました。
ハンモサーフィンとは、全国の使用されていない空き家などを、リモートワーカーやテレワーク、フリーランス、ノマド、クリエイター、アーティストといった、ハンモサーファーと呼ばれる会員同士で、共有して使うことです。
空き家などを「共遊別荘」や「共遊スペース」として、さまざまな地域に滞在し、多岐にわたる地域事業に利活用することを目的としています。
イベントや各種ワークショップ、勉強会などの地域密着型のクリエイティブな活動をうことで、さまざまな人の往来を作ることで、空き家のある地域を活性化させます。
また、他の地域ともネットワーク化していき、点だけでなく面としてもつなげていくことを目指すコミュニテイ型プラットフォームです。
現在、ハンモサーフィンのサービスは、四国をメインとして全国で19拠点となっています。
今後は、ウェブプラットフォームを活用しながら、日本国内だけではなく、アメリカ・ヨーロッパ・オーストラリア・香港など、海外への拡大していく予定です。
世界中を旅しながら、リモートワークやテレワークが可能になる環境を整えていくことを目標としています。
ハンモサーフィンは、場所にとらわれることなく仕事や活動を行うことに興味がある方、自身のスキルを活かしながらクリエイティブに活動したい方、地域課題などの問題解決をハンモサーファーと共有しながらビジネスにつなげたい方、さまざまなスキルを持つハンモサーファーとつながりたい方におすすめです。
新しいことにチャレンジしたい、空き家利活用など地域に貢献しながらビジネスチャンスを掴みたいという方にも、ハンモサーフィンはぴったりといえるでしょう。
▼空き家を有効活用できるハンモサーフィンのメリット
空き家を有効活用できるハンモサーフィンの会員になると、どのようなメリットがあるのでしょうか?
ハンモサーフィンの会員になると、ハンモサーフィンに登録されているさまざまな共遊別荘や、共遊スペースの情報を閲覧することができます。
ハンモサーフィンの会員費用は、個人・法人問わず月額1万円(税別)です。
ハンモサーフィン会員になると、以下のすべてが利用できます。
・登録されているすべての共遊別荘の利用
・登録されているすべての共遊スペースの利用
・共遊別荘・共遊スペースでの滞在・宿泊利用
・共遊別荘・共遊スペースでの事業用途としての利用
・共遊別荘・共遊スペースでのオフィス用途としての利用
・共遊別荘・共遊スペースでの勉強会・教育の場としての利用
・共遊別荘・共遊スペースでのプロジェクト、ワークショップ、イベント利用
また、ハンモサーフィンの会員であるハンモサーファーになると、その一親等である両親・配偶者・子どもも、ハンモサーフィンを利用できるようになります。
そのため、家族で旅行を楽しみながら、リモートワーク・テレワークを実現することも可能なのです。
また、月額費用の一部は、ハンモサーフィン基金として積み立てられます。
ハンモサーフィン基金では、「環境保全」・「社会利益」・「経済メリット」における、サステイナブルな社会を貢献するために活用される予定です。
今後は、月単位だけではなく、数か月単位でよりリーズナブルな価格でハンモサーフィン利用が可能になるプランも提供されるようです。
ハンモサーフィンでは、さまざまな情報の発信ができるのはもちろん、それぞれの共遊別荘・共遊スペースにおいても、ハンモサーファー同士がソーシャルでつながります。
ハンモサーフィンの会員には、WEB系のプログラマー・エンジニア・デザイナー・カフェマスター・ネイリスト・エステティシャン・フォトグラファー・ライター・グラフィックデザイナー・漫画家・養蜂家・マジシャン・ミュージシャンなど、さまざまな分野で活躍する人々がいます。
多岐にわたる業界で活躍する個人・法人のハンモサーファーが在籍しているため、才能のあるハンモサーファー同士で、新しいつながりや事業展開、ビジネスチャンスを創造することができるようになります。
つまり、これまでの固定観念による形や定義にとらわれず、より自由なライフワークスタイルを実現することができるのです。
また、個人・法人問わず、ハンモサーフィンコミュニティの一員として、ウェブサイトを利用することができます。
さらに、スペースのホストになり、プラットフォーム上にリスティングとして登録すると、月額会費が免除され、会員と同じようにハンモサーフィンを利用できるようになります。
「共遊別荘」と「共遊スペース」の登録や利用、検索・メッセージから予約・決済までのひとつづきの手続きを、スマホやタブレット、パソコンで行うことができるため、利用しやすさも優れています。
▼空き家と関わりが深い一般社団法人ハンモサーフィン協会
ハンモサーフィンの運営を行なっている、一般社団法人ハンモサーフィン協会は、空き家との関わりが深い団体です。
ハンモサーフィンの会員であるハンモサーファー同士の活動や取り組みによるハンモライフは、空き家問題など、さまざまな地域の課題解決につながることが期待されます。
自治体や行政などと連携しながら、「空き家の再生」・「空きスペースの再生」・「空き店舗の再生」を行い、深刻な空き家問題の課題を解決へとつなげます。
空き家をハンモサーフィンで利活用することにより、空き家のある廃村集落の再生を促し、空き家を別荘などとして利用することで、人の流れを作り出し、その地域の活性化を促進します。
自治体や行政が、ハンモサーフィンとパートナーシップになることで、増え続ける空き家問題や集落廃村問題解消へとつなげることができるようになるのです。
まず、人の往来となる関係人口を創造し、現在注目されている多地域滞在・多地域事業などがその地域への移住につながり、過疎化や廃村化を改善することが期待できるでしょう。
また、ハンモサーフィンの取り組みにより、企業などのサテライトオフィスの誘致なども実現しやすくなり、その地域での仕事が生まれ、地元雇用に貢献できるようにもなります。
ハンモサーフィンは、使用されていない空き家や空き店舗、空きスペースなどを再生して、利活用していることで社会貢献を行なっていますが、それだけではありません。
企業や団体などと、ハンモサーフィンがひとつになり、コンソーシアムとして、全国それぞれのエリアや、世界中のエリアを含めて、さまざまな事業活動を展開していきます。
そして、つながりの出来た企業のユーザーやクライアントが、それぞれの地域の地元企業や地元住民ともつながることにより、人の往来の循環を作り出すことを可能にするのです。
▼まとめ
新たなライフスタイル・ライフワークとして、多地域滞在・多地域事業が注目されており、ハンモサーフィンは、今後ますます需要が高くなりそうです。
ぜひ、さまざまなメリットがあるハンモサーフィン会員となり、自由な暮らしを楽しんでみてはいかがでしょうか?
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空き家で何かお困りのことがありましたら、ぜひご利用ください。