空き家の郵便物は毎日取る人がいないぶん溜まりやすく、それがきっかけで不審者の侵入やゴミの不法投棄などのトラブルが起きてしまう可能性があります。
そのため空き家管理では、無用なトラブルを招かないためにも郵便物に関する対策も必要です。
郵便受けは人目につきやすい場所に設置してあるケースが多いので、防犯面で注意したい管理項目になります。
今回は、空き家の郵便物対策についてご紹介します。
▼空き家の郵便物対策!定期的な回収が大切
空き家の郵便物対策では定期的な回収が大切です。
郵便物のたくさん溜まった郵便受けは、家主の不在を周囲に知らせるので、防犯上おすすめできません。
空き巣などの犯罪に巻き込まれないためにも、配達される頻度に合わせた回収を心がけるようにしましょう。
メール便で送られてくるダイレクトメールや通販カタログなどは、転送届による対応ができません。
差出人宛てに家主の不在を伝えて、送付されないように手続きしてくださいね。
送られてきた封筒に「受け取り拒否」などと赤字で記載して、配達業者に届けたり、郵便なら郵便ポストに投函したりする方法がありますよ。
町内会などの地域の文書類も投函されるケースがあるので、担当の方に連絡を入れておくと安心です。
地域住民に誰も住んでいないことを伝える作業になりますが、コミュニケーションをうまくとれば、異変を知らせてもらえる効果を期待できるでしょう。
なお、ダイレクトメールなどが多すぎて困った結果、郵便受けの差込口をふさいで、投函されないよう対策をしているケースがあります。
この方法だと投函は防止されますが、かえって空き家をアピールしている状態となり、防犯面で不安です。
社会問題となっている空き家トラブルには、空き巣に入られるだけでなく、誰も住んでいない家を利用した犯罪があげられます。
関連記事:空き家が犯罪の温床に!国際詐欺にまで利用される現状
特殊詐欺の受け取り場所などに使われるケースが、全国で報告されているので注意しましょう。
犯罪の舞台として、知らないうちに所有物件を利用されるのは、けして気持ちが良いものではありません。
場合によっては、管理責任問題を追及される可能性もあるでしょう。
郵便物の回収には防犯効果がある点を、しっかりおさえておいてくださいね。
▼空き家の郵便物対策!亡くなった親宛ての郵便を開封して大丈夫?
空き家の郵便物対策の困りごとといえば、亡くなった親宛ての郵便物をどうしたら良いか、ということでしょう。
親が元気なうちは、親宛ての郵便物は当然親本人が開封しますが、亡くなると開封する人がいなくなります。
郵便物の中には、相続に関するものや税金に関するものなど重要な書類が含まれていることもあり、すぐに確認しないといけないけれど本人以外の家族が開けて良いのか迷ってしまいますよね。
実は、宛名以外の人が本人の許可なく郵便物などの信書を開封すると、信書開封罪という秘密を侵す罪に問うケースがあります。
信書開封罪では、正当な理由なく封をしてある信書を開けると、1年以下の懲役か20万円以下の罰金が科せられてしまいますよ。
信書とは、特定の人に対する伝達事項を綴った文書です。
正当な理由とは、法令上認められているのはもちろん、宛名の人物の承諾や緊急避難が必要なケースをさします。
そして家族の場合は、「これは私が開けて見ても大丈夫だな」と推定的承諾によって封を切れる郵便物があるので、状況によって検討しましょう。
たとえば、日常的に家計を親から任されていて、名義が親の光熱費を管理していたなら、親が亡くなったあとに届いた空き家の光熱費の請求書を開封しても問題ありません。
また、先ほど挙げた相続や税金に関わると判断される郵便物は、いつまでに連絡したり納税したりしなければいけないと期日が決められているケースが多く、それを過ぎてしまうとペナルティが科される可能性があります。
そのため、こうした郵便物の開封も問題ありません。
一方で、親のプライバシーに関わるような、友人・知人からの手紙などの取り扱いには注意が必要です。
また、信書開封罪は封を開けた時点で罪に問われますが、被害者などから告訴がなければ、問題とならない親告罪にあたります。
亡くなった親なら被害者がいないので大丈夫と思われるかもしれませんが、送り主にも告訴権利があるので、頭に入れておきましょう。
そして郵便局の転送届は、亡くなった人宛てについては取り扱ってもらえないのが一般的です。
死亡を確認されるのは稀なので、物理的には転送できますが、郵便法にふれる行為となりますよ。
生前に転送手順を踏んでおくと、その後の対策を取りやすいかもしれませんね。
▼空き家の郵便物対策!定期的な回収が無理なら業者へ依頼
空き家の郵便物対策で定期的な回収が無理なら、業者へ依頼するのがおすすめです。
近年の空き家の増加にともなって、空き家サービスを展開する業者はたくさんあり、サービス内容は各社さまざまです。
郵便物の回収サービスは、基本的に対応可能な業者が多いので、総合的な管理プランと併せて検討するとよいでしょう。
遠方に住んでいて定期的な空き家管理に足を運べないケースでは、業者依頼で管理してもらう方法が便利です。
移動の時間や交通費など考えると、管理を依頼した方が費用対効果があるかもしれません。
掃除全般に加えて、室内の通風や水道の通水、庭の手入れなど、任せたい項目を揃えている業者を探してくださいね。
さらに防犯対策のサービスもありますので、自身に適した空き家管理法を専門家に相談するとよいでしょう。
▼まとめ
空き家の郵便物を溜めると防犯上良くないので、定期的に回収するようにしましょう。
しかし、亡くなった親の郵便物の転送は、基本的にはできないので注意してくださいね。
距離や時間の関係で自身での管理が難しい方は、空き家の専門業者への依頼がおすすめです。
郵便受けのチェックはもちろん、さまざまな管理サービスがあるので、所有する物件に適したアドバイスをもらいましょう!
全国空き家管理ナビでは、空き家の管理に悩んでいる人をサポートしてくれる事業者を検索できます。