空き家に備え付けられたベランダは、鉄でできていることが多いため錆びやすく、放置していると倒壊の恐れがあるため危険です。
ベランダに使用されている建材の種類によっては、家屋よりも早く劣化する可能性があるでしょう。
そのため、空き家を管理するうえでは室内だけではなく、ベランダ部分についてもチェックポイントを抑えておく必要があります。
今回は、空き家のベランダを放置するとどのような問題があるのか、チェックポイントや撤去費用について解説いたします。
空き家のベランダを放置することは問題になる?
空き家と言っても「築年数がさほど経っていない」「鉄筋コンクリート造で頑丈にできている」のであれば、とくに問題にはならないでしょう。
しかし、築年数が古くてボロボロになっている空き家であれば要注意です。
実際に、空き家の劣化が進んでベランダが崩落する事例もあります。
ベランダを放置することで起こりうる問題は以下の2点です。
近隣住民に迷惑をかける
放置された空き家は、近隣住民に迷惑をかける可能性があります。
パッと見ただけでは問題ないように見えても、実際は老朽化が進んでいるケースがあるため、台風や地震などで倒壊してしまう危険性があります。
倒壊すれば、近隣の家や車を破損させたり、人にケガを負わせたりする可能性があるでしょう。
所有する空き家の倒壊や破損によって周辺住民に迷惑をかけてしまうと、責任を問われて損害賠償を請求されるケースもあります。
そのためベランダの状態がどうなっているか、劣化や破損している個所を把握するためにも定期的なチェックは欠かせません。
鳥や害虫の住処になる
空き家のベランダは、鳥やスズメバチなどの害虫の住処になりやすいです。
とくに鳩やカラスが巣を作るのをよく見かけるかもしれません。
鳥がベランダに住処をつくってしまうと、糞や鳴き声などの被害が生じるため、衛生的にも周辺の環境的にもよくありません。
また、スズメバチが巣を作ってしまった場合も近隣住民に被害が及ぶ可能性があります。
鳥や害虫が一度巣を作ってしまうと、追い払ったり駆除したりするのに費用や手間がかかるため、日頃から定期的に管理することが大切です。
遠方に住んでいるなどで定期的な管理がむずかしい場合は、空き家管理サービスの利用がおすすめです。
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関連記事:空き家管理サービスってなに?サービスのメリットや費用相場などをご紹介!
放置された空き家のベランダの劣化具合を確認するポイントは?
放置された空き家を相続した場合は、どのように劣化具合を確認すれば良いのか気になりますよね。
続いては、放置された空き家のベランダの確認ポイントを4つご紹介します。
ポイント①支柱
支柱のあるベランダであれば、まずは「亀裂やサビなどの破損がないか」や「ぐらつきがないか」などをしっかりと確認しましょう。
支柱がしっかりしていれば倒壊の危険性は低いので、セルフチェックにおける大きなポイントになります。
ポイント②柵・屋根・床板
支柱以外の建材についても、耐久度や劣化具合を調べます。
柵や屋根の強度が弱っていれば、台風で強風が吹いた際に剥がれて飛散するケースが考えられます。
強風時に棒状の柵などが屋外に飛んでしまうと、その破壊力は計り知れません。
床板もしっかりとチェックをし、板そのものの劣化はもちろん、歩いたときのフワつきなどがないかも確かめましょう。
もしベランダの床板に小さな亀裂などを見つけた場合は、防水テープやコーキングなどで応急処置をしておくと良いでしょう。
ポイント③排水溝
ベランダには雨が降ったときに雨水を流す排水溝が付いていますが、排水溝はほかの場所から飛んできたゴミや葉っぱが溜まりやすい箇所でもあります。
この排水溝に溜まったゴミの除去をしておかないと、雨が降っても水が流れずにベランダが水浸しになってしまいます。
ベランダに雨水が溜まってしまうと、最悪の場合は下の階へ雨漏りしてしまう危険性があるため注意が必要です。
雨漏りは空き家の劣化をよりいっそう進めてしまう原因にもなるため、排水溝もしっかりと確認しましょう。
ポイント④全体の錆び具合
最後に全体の錆び具合も確認しましょう。
ベランダは屋外に張り出しているためどうしても野ざらしの状態となり、放置すると錆びが発生しやすいです。
錆びは建材の耐久性を弱めてしまうため、見つけたら早めの処置がおすすめです。
ベランダが錆びているかどうかは見た目ですぐにわかるため、まずは目視で隅々までチェックしましょう。
表面に錆びが浮いていない場合でも、水垢のような赤色っぽい筋や溜まりがあれば、どこかしら錆びが流れ出ている証拠です。
軽度であれば、ヤスリなどで錆びを落として防水処理をすると良いでしょう。
空き家のベランダを放置せずに撤去する費用はどのくらい?
では、空き家のベランダを放置せずに撤去する場合は、どのくらいの費用がかかるのでしょうか?
最後に、自分で撤去するケースと事業者に依頼するケースの費用相場をご紹介します。
自分で撤去する場合の費用
自分で撤去する場合は、ベランダの広さにもよりますが30万円~40万円程度かかるとみておきましょう。
主な費用内訳は、以下のとおりです。
●足場の組立と解体:約20万円~30万円(レンタル日数によって変動あり)
●自治体での廃材の処分:約5万円(1㎡3,000~8,000円ほど)
●レンタルトラックでの廃材運搬:約3万円(2~3日)
自分で撤去するといっても所有者一人だけで解体するのはむずかしいでしょう。
そのため、家族や友人などに声をかけて手伝ってもらうことをおすすめします。
ベランダが2階以上にある場合、足場は専門業者からレンタルをして組立と解体を依頼するほうが安心・安全です。
解体後は、ベランダの材質によってはリサイクル事業者に買取を依頼する方法もあります。
事業者に依頼して撤去する場合の費用
事業者に依頼する場合の一般的なベランダの撤去費用の相場は、30万円~50万円程度になります。
ただし、2階以上のベランダは足場を設置して作業する必要があるため、さらに費用がかかります。
また、ベランダが木製なのか鉄製なのかによっても相場が異なります。
●木製ベランダ1階:約30~60万円
●木製ベランダ2階:約40~75万円
●鉄製ベランダ1階:約30~50万円
●鉄製ベランダ2階:約40~65万円
なお、空き家のベランダの解体工事は、次のような事業者が取り扱っていますよ。
●リフォーム事業者
●工務店
●解体業者
費用は事業者によっても異なるので、サービス内容と合わせて見積もりを取るのがおすすめです。
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まとめ
空き家のベランダは、劣化が進んでいる場合だと注意が必要です。
ベランダの倒壊や破損によって近隣住民や通行人に危害を与える可能性があるため、日頃から適切に点検・管理することが大切です。
適切に管理をおこなうためにも定期的に空き家へと足を運ぶのが大切ですが、それがむずかしい場合は撤去してしまう方法もあります。
空き家の管理や解体に迷う方は、まずは空き家の専門家に相談すると良いでしょう。
空き家管理の専門家に相談すると、ベランダを含めた管理全般に関するアドバイスが受けられるため、空き家が劣化する前に早めに相談することをおすすめします。
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