空き家は不法侵入される可能性があり、場合によっては所有者に大きなトラブルをもたらします。
不法侵入されると所有する空き家だけが被害に遭うのではなく、近隣地域の治安悪化を招く可能性も大きいです。
空き家を守り近隣住民に迷惑をかけないためには、不法侵入者の手口を知り、犯罪への予防策を講じることが欠かせません。
今回は不法侵入者の手口や窃盗罪にあたるのか、そして空き家の防犯対策について解説します。
不法侵入者に狙われやすい空き家とその手口
まずは、どのような空き家が不法侵入者に狙われやすいのかが気になるところでしょう。
また、不法侵入者の手口を知っておくことも大切です。
この章では、不法侵入者に狙われやすい空き家とその手口をそれぞれ解説いたします。
不法侵入者に狙われやすい空き家とは?
適切に管理されていない空き家は、不法侵入者に狙われやすいです。
管理不足の空き家は荒れ放題で人目につきにくく、短時間で室内に侵入しやすいからです。
具体的には、以下のような状態になっている空き家が、不法侵入されやすい傾向にあります。
●庭木が手入れされずに生い茂っている
●郵便物が溜まっている
●高い塀や庭木に家が囲まれている
●玄関や窓の鍵が1つだけなど、開けやすい構造になっている
●窓の下に足場がある
庭の手入れがされておらず郵便物が溜まっていると、それだけで人が住んでいない家だと周囲に知られてしまいます。
さらに高い塀や庭木は周辺道路などから見えにくく人目につきにくいため、侵入しやすくなってしまうのが難点です。
そして簡単に開錠ができてしまう窓や玄関ドア、窓の下に足場のある空き家は短時間で室内に入れてしまうため注意しましょう。
不法侵入者の手口
警視庁の統計データによると、一戸建ての空き巣の侵入経路は窓と玄関となっており、全体の4分の3を占めています。
その割合は、以下のとおりです。
●窓からの不法侵入:56.7%
●玄関からの不法侵入:18.4%
とくに防犯対策のされていない窓は、ドライバーなどで簡単に割って開錠されてしまう恐れがあります。
ほかにもバーナーで熱を加えてガラスの強度を弱めてから窓を割り不法侵入するケースもあるそうです。
また、玄関ではピッキングやこじ開けをはじめ、合鍵をつくって堂々と不法侵入する場合もあります。
このように手慣れている場合には周囲に気づかれずに室内に入られてしまうため、誰もいない空き家はとくに注意が必要なのです。
空き家への不法侵入は窃盗罪にあたる?証拠を示すには?
では実際に所有する空き家が不法侵入の被害に遭った場合、どのように対処すれば良いのか気になりますよね。
空き家の不法侵入では、主に以下の2つの罪に問える可能性があります。
窃盗罪
空き家に不法侵入されて金品や電化製品などを盗まれた場合は、すみやかに警察に窃盗の被害届を出しましょう。
しかし実際には、空き家へ不法侵入した犯人が窃盗罪で逮捕されるのは、主に近隣住民からの通報による現行犯逮捕のケースが多いです。
それは、空き家所有者がそもそも不法侵入や窃盗の被害に気付かないことが多いからだといわれています。
とくに放置された荒れ放題の空き家は、窃盗の被害に遭っていることが気づかれずに事件化されないケースが多いでしょう。
そのため、空き家に不法侵入されて窃盗の被害に遭った際に犯人を捕まえたいのであれば、窃盗されたことを示す証拠が必要です。
たとえば、以下の3つがあれば窃盗罪の証拠となりえます。
●防犯カメラの映像記録
●目撃者の証言
●不法侵入者の指紋やDNA
防犯カメラや目撃者の証言は、犯人を見つけるのに効果的でしょう。
また、盗まれた物が別の場所で見つかったときは、空き家に不法侵入された際に残された指紋やDNAと照合して犯人を特定できるかもしれません。
空き家が窃盗被害に遭ったとわかったときは、すぐに警察に相談しましょう。
住居侵入罪
空き家をしっかりと管理していて玄関も施錠している場合は、窃盗されていなくても住居侵入罪として被害届を出せる可能性があります。
住居侵入罪は、人が現に住んでいる住居や人が看守する邸宅、建造物もしくは艦船に不法侵入された場合が対象です。
また、住居侵入罪が成立するには不法侵入者が「犯罪の目的があるか」「権利者・管理者の意思に反しているか」がポイントとなります。
適切に管理されている空き家は「人が看守する邸宅」に該当するでしょう。
しかし、管理されずに放置している空き家は不法侵入されても住居侵入罪に該当しない可能性が高いです。
そのため、空き家はしっかりと施錠し定期的に管理しましょう。
ちなみに、住居侵入罪は室内だけでなく屋根や庭の不法侵入も含まれます。
また、空き家に不法侵入されたうえに長期間住み続けられた場合は、不動産侵奪罪に該当するでしょう。
不動産侵奪罪は、不法占拠された場合に問える可能性があります。
空き家への不法侵入を防ぐ対策とは?
空き家への不法侵入を防ぐためには、手口を知って狙われにくい状況を整えておくことが大切です。
玄関や窓の防犯対策
都市防犯研究センターの調査では、多くの不法侵入は侵入までに10分以上かかると犯行をあきらめることが分かっています。
つまり、窓や玄関から10分以内に侵入できる家が狙われるのです。
そのため、窓や玄関ドアには、以下のような開錠までに時間を要する対策を施すことをおすすめします。
●補助錠をつける
●防犯サムターンをつける
●防犯シートを張る
補助錠とは、元々ある錠以外に補助的に取り付ける錠前のことです。
玄関や窓の施錠が2つ以上あれば、その分開けるのに時間がかかるため、狙われにくくなるでしょう。
さらに、既存の鍵と異なるタイプにするとピッキングの難易度が上がるためおすすめです。
防犯サムターンとは、玄関ドアに設置される防犯性の高い手動式のつまみのことです。
玄関のピッキングは、ドアの隙間やドアポストから特殊な器具を差し込み開けられます。
防犯サムターンは、そのような手口を防ぐのに有効ですよ。
防犯シートは、窓ガラスに貼る防犯グッズです。
防犯シートを窓ガラスに貼ることで窓を割りにくくなり、窓からの不法侵入を防ぐことができます。
防犯対策となる空き家管理
前章でも述べたとおり、管理されていない空き家は不法侵入者に狙われやすいです。
庭は草木の手入れを定期的におこない、郵便物はこまめに回収するようにしましょう。
そして、家の掃除ついでに庭の手入れや郵便物のチェックをする際は、時間や曜日を決めずに不定期な訪問をおすすめします。
決まった曜日や時間に足を運ぶと、家に誰かがいる時間を把握される可能性があるからです。
しかし、遠方に住んでいる場合やお仕事が忙しい方は、頻繁に空き家に足を運ぶのはむずかしいでしょう。
そんなときは、空き家管理会社に依頼しましょう。
空き家の管理会社は、防犯についての相談も対応しております。
所有する家に適した防犯アドバイスをもらえるうえに、管理の依頼もできるので、ご自身での防犯対策に不安のある方におすすめです。
まとめ
空き家への不法侵入を防ぐには、何よりも狙われやすい家とならないように管理を徹底することが大切です。
ぜひこの記事を参考に、被害を避けるための防犯対策を講じてみてはいかがでしょうか。
まずは、郵便物の回収や開口部の施錠を強化するなど、できる範囲から防犯対策を始めてみてください。
全国空き家管理ナビでは、空き家管理に関するご相談を受け付けている不動産管理会社を検索できます。
今空き家管理でお困りの方は、ぜひ全国空き家管理ナビを利用して、自分に合う専門業者を探して相談しましょう!
弊社へのお問い合わせはこちらをクリック↓