マイホームを持っていると、転勤や実家に帰って親を介護するなどの理由で自宅を空き家にするケースがあります。
その際、いずれまた自宅に戻るつもりがあるなら空き家にしている間だけ友人や知人に貸して住んでもらうことを検討する人もいるでしょう。
使わない家に誰かに住んでもらえれば、家賃収入が見込めるうえに空き家管理の必要性もなくなり、いいこと尽くめのようにも感じますね。
しかし、気心の知れた人物だからこそ、トラブルが発生した際の精神的ダメージは計り知れません。
今回は、友人・知人との空き家賃貸契約ではどんなトラブルが起こりうるのかをチェックして、貸し出す際の注意点をチェックしましょう!
01空き家を友人・知人に賃貸することで考えられるトラブル
空き家を友人や知人へ貸すことで考えられるトラブルは、家の返却時に発生しやすいです。自宅に戻る日が決まって、「○月○日までに退去してほしい」と伝えても、期日までに退去してもらえず揉めるケースがあります。
そうなれば、立退料を支払うまでに問題がこじれるかもしれません。
また、仮にきちんと出て行ってもらえても、予想以上に家が傷んでいれば修繕費がかかり、支払いをどちらが負担するかで揉めるケースも考えられます。
お互い良かれと思って住宅を貸し借りしたのに、結果として不仲になるのであれば「後悔先に立たず」です。
もちろん、入居中に給湯器やエアコンが故障するなどの日常的なトラブルに対しても決めごとがなければ、小さな不満がどんどん募っていくでしょう。
不動産のプロが介入している賃貸物件でも、入居者と大家さんの間で問題が起こるのが現状です。
そのため素人同士の家の貸し借りではもっとこじれやすいこと、そして問題が起きると場合によっては今までの関係そのものが壊れると予想できるのではないでしょうか。
02空き家を友人・知人に賃貸する場合こそ契約書は重要
空き家を友人・知人に貸すときの最大の注意点は、きちんと契約書を交わすことです!トラブルを防ぐには貸さないことが一番ですが、どうしても賃貸するのであれば、簡単に専門的な書面を作れるサイトを利用して作成します。
その際は、国土交通省の「賃貸借住宅標準規約書」にもとづいて作成することをおすすめします!
なお、賃貸借契約書を自作する場合、書面に記載しておいた方がよい最低限の項目を以下に記します。
・契約期間
・賃料
・納付方法と期限
・共益費と敷金の有無や金額
・禁止事項
・契約解除の要件
・退去時の原状回復の義務と範囲
・連帯保証人の有無
口約束だけで言った・言わないなどの見苦しい口論も避けられますし、なによりこれまで築き上げてきた人間関係の崩壊を防いでくれます。
書面を持ち出すと、貸す相手によっては怪訝そうにするかもしれませんが、お互い気持ちよく貸し借りするためにも約束を書面上で交わすことは重要です!
なお、もっとも良い契約書の作成方法は、専門家である不動産業者を通すことです。
日々不動産の契約に携わるプロに依頼することで、素人では分かりにくいポイントもきちんと分かり、より効力のある契約書を作成できますよ!
03空き家を一時的に賃貸するなら定期借家契約を結ぶ
空き家を一時的に貸すなら、「定期借家契約」がおすすめです。定期借家契約とは、契約期間が満了するとその時点で契約終了となる方法です。
一方、よくある「2年ごとに契約更新」というような方法は普通借家契約と言いますが、この方法は借主が更新を希望すると、貸主は正当な事由がない限り更新を拒むことができません。
そのため、普通借家契約で結んでしまうと退居してもらいたいときにすんなり出て行ってもらえず、契約解除までに時間を要する可能性が出てきます。
その点、定期借家契約であれば期間を決めて書面を作れるので、定めた日がくれば問題なく満了解除できますよ。
なお、定期借家契約は1年未満の短期契約もできるので、長期帰省や旅行時の貸し出しなどにも有効ですよ。
また、両者納得のうえで再契約も結べるので、場合によっては引き続き貸すことも可能です。
ただし、定期借家契約は貸す側が更新を希望しない場合、契約書に「期間満了と同時に契約は終了すること」を書面に記載し、そのことをあらかじめ借りる側の友人・知人に説明しなければいけないルールもあります。
約束の効力を持たせるためにも、契約書作成時に詳細をきちんと確認してくださいね。
04空き家を無料で賃貸するなら使用貸借契約を利用
もし無料で空き家を貸すのであれば、「使用貸借契約」を結ぶのがおすすめです。無料で貸し出す分、友人や知人などの借り手側はやるべき家の管理が増加し、一般的に家主が負担するような住宅設備の修繕も担います。
風呂やトイレの故障、窓枠が外れたなどの修理代も、併せて借り手の負担になります。
使用貸借契約は、基本的な家のメンテナンスを借り手が担う契約になるので、自宅を貸す側にとっては無料で空き家管理をしてもらえるメリットがあるでしょう。
05まとめ
空き家を友人や知人に賃貸することは、貸す方も心構えとしてそれなりのリスクが伴うことを頭に入れ、賃貸するかどうかをまずは慎重に検討してくださいね。そして貸すことを決めたなら、思わぬトラブルが起きてこれまでの関係を壊すことがないように契約書をきちんと交わすこと、作成時はできる限り不動産のプロに介入してもらうようにしましょう!
不動産のプロであれば、貸し借りの相談はもちろん、空き家の管理・活用法についてもアドバイスをもらえますよ。
自宅が空き家になる予定があり、友人や知人に貸すことを考えている人は、ぜひ全国空き家管理ナビを使って頼れる不動産のプロをお探しください!