空き家問題は郊外の団地やニュータウンでも深刻化しており、まちはかつての活気がなくなり、さびれる一方となっています。
高度成長期における都市部への人口集中を避けるためにつくられたニュータウンは、当時の若い世代にとって魅力的なエリアでした。
しかし、現代のニーズと合わないまちは廃れ、若者が流入せず、悪循環が起こっています。
その結果、誰も住んでいない住宅が年々増えて、大きな空き家問題となっているのです!
実際にそのようなエリアで空き家を所有している方はきちんと管理できているでしょうか?
今回は、郊外の団地などにおける空き家問題について紹介します。
01団地やニュータウンの空き家問題:深刻化する問題
団地などの空き家問題は年々深刻化しており、主に以下のような問題が発生しています。景観の悪化
管理されていない住宅の増加は、まちの景観を損ねます。誰も住まない家は老朽化が進み、予想以上のスピードで朽ちていきます。
建物内部はもちろんですが、外観は屋根や壁などが剥がれ落ちて、手入れがされない庭は草木が伸び放題になり、ボロボロに荒れ果てます!
このような景観を悪くする家は、まちのイメージそのものも悪化させていきます。
衛生環境の悪化
手入れされていない空き家は、不法投棄の場所となりかねません。汚い場所にゴミを捨てることは、罪悪感をもちにくいのでしょう。
ゴミが溜まれば見た目の悪さだけではなく、悪臭や害虫・害獣の発生が懸念されます。
安全性の低下
老朽化した家はいつ屋根などの建築資材が飛んだり、建物が崩壊したりするかわかりません。強風や地震などの自然災害によって、通行人や近隣の住宅などに危害を与えてしまう可能性がありますよ!
治安の悪化
放置された空き家は不法侵入されやすく、犯罪に利用されるケースがあります。特殊詐欺や性犯罪、未成年の喫煙や飲酒など、さまざまな事件や事故を誘発させ、まちの治安を悪化させていきます。
02団地やニュータウンの空き家問題:空き家が増えている理由
郊外の団地などに空き家が増えている理由は、現在のニーズに適さないまちとなっているからです。同世代の一斉入居
ニュータウンには同世代が一斉に入居した背景があるので、当然、住民が年齢を重ねるタイミングも似かよっています。当時の入居者である若いサラリーマン世帯は、現在では50~60代です。
そして、当時小さかった子どもたちも大きくなって親元を離れ、進学や就職、結婚などでまちを離れて、利便性の良いエリアに住み戻ってきません。
年老いた親世帯が亡くなっても、子どもたちはすでに別の場所で生活をしているので、実家は空き家となっていきます。
人口減少による悪循環
親元を離れた子どもたちによってまちの人口は減少し、併せて、さまざまなサービス需要が失われていきます。需要の低下は商業施設や医療機関、公共交通機関のサービスの質を落とし、まちの利便性の低下によって若い世代が流入せず、ますます人口減少が進むのです。
現代の生活様式に合わない住宅
仮にまちが気に入り住宅を購入しようと思っても、30~40年前の住宅や土地の区画は、現代の生活様式に合うものが少ないようです。子育てしにくい間取りや広すぎる敷地は、若者の心を引き付けず、空き家は活用されないままになります。
03団地やニュータウンの空き家問題:行政や地域の取り組み
いろいろ問題が多い団地やニュータウンの空き家ですが、最近は行政や地域も問題解決に向けてさまざまな取り組みを行っています。ここからは、郊外の団地などの空き家問題に対して行政や地域がどのような取り組みを行っているのか、具体的な例をご紹介します!
地域活性化に利用
空き家をカフェや遊び場に活用し、地域住民が交流できる場所を作りだす取り組みが全国各地で行われています。横浜市金沢区の西芝団地では、空き家を「さくら茶屋にししば」として生まれ変わらせ、カフェを楽しめるだけでなく、ワークショップや買い物支援などに活用していますよ。
京都府八幡市のUR男山団地では、学生と住民が一緒に運営するお年寄りのコミュニティ拠点や子育て支援施設として空き家を活用しています。
2013年に始まった運営開始後からUR男山団地の平均年齢が下がっており、空き家活用の効果がでているようです。
賃貸でもリノベーション
神奈川県二宮町の二宮団地では、入居促進のためにリノベーションを推進しています。方法は2つあり、リノベーション完成後の物件に住むか、セルフリノベーションを楽しむかです。
特に後者は、近年のDIYブームを背景にした取り組みで、今後の成果が興味深い事例といえるでしょう。
いずれの例も人が多く集まることで、かつての活気を取り戻している良い例です。
もちろん、このアイディアは地域住民だけではなかなか実現できません。
人が集まるスペースとして利用するならリノベーションが必要ですし、行政へ何かしら申請が必要なケースだってあります。
そこでおすすめの方法が、所有する空き家があるエリアの空き家問題に取り組んでいる専門業者への相談です!
プロの知識と経験で、どんな施工や行政への申請が必要なのかアドバイスをしてくれるので安心ですよ!
04まとめ
団地やニュータウンにおける空き家問題は深刻化しており、似たようなエリアで空き家を所有している方にとっては他人ごとではありません。放置したままの空き家のトラブルはすべて所有者に返ってきますので、問題が大きくならないうちに空き家の管理・維持や活用を進めましょう。
しかし、空き家問題を解消するために何かしたくても、専門的なことが多すぎて、どうしたらよいかわからない人もいるでしょう。
そんな場合は、空き家問題に強い専門業者に相談するのがおすすめですよ!
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空き家問題を解消するために専門家へ相談したいと思ったら、ぜひご活用ください!