空き家が犯罪の温床に!国際詐欺にまで利用される現状

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空き家で国際詐欺をはたらいた男


空き家の問題は年々深刻になっており、国境をまたいだ国際詐欺に空き家が利用される事例が報告されています。

オレオレ詐欺などの特殊詐欺に利用されるケースはもはや珍しくなく、あらゆる犯罪の温床となりつつある空き家。

集合住宅の空き部屋も空き家と同じく増加傾向にあり、しかも管理の目がなく利用しやすい点から、悪用されることがしばしばあります。

今回は、実際に空き家が利用された国際詐欺事例をご紹介しますので、空き家を所有されている人はぜひご覧ください!




▼空き家が国際詐欺の温床となった事例


①空き家が国際詐欺の温床となった場所は、東京都世田谷区にあるアパートの空き部屋です。

管理人からの通報で事件が明るみになった例で、外国人による集団的な詐欺グループが関与していました。

 

この時の空き部屋は、インターネットで購入した家電製品の受取場所として利用されており、日当12,000円で雇われた受取人が住居侵入容疑で逮捕されるも、当初は詳細がつかめなかったようです。


②数ヶ月後、今度は板橋区のアパートの空き部屋で同じような通報があり、世田谷区での詐欺事件を指示した同じ男が逮捕されます。

この国際詐欺は、不正入手のクレジットカードでパソコンなどの家電製品を購入して空き家に配送し、配送した製品を換金する手口だったようで、逮捕された2人は犯罪グループの一員だと判明しました。

 

この2つの事件は、世田谷区で発生したのが201511月、板橋区で発生したのが20161月でした。

わずか2ヶ月の間に、次々と空き部屋が犯罪に利用されていたことがよく分かる事例で、空き家の犯罪利用の常習化が進んでいることもお分かりいただけるでしょう。

 

現場となった2つのアパートでは管理人の通報により解決に向かいましたが、所有者が放置したままの物件だったら、もっと発覚が遅れていたかもしれません。




▼国際詐欺の空き家利用方法


空き家が国際詐欺に利用されたことは分かりましたが、犯人たちはどうやって空き部屋の中へ入ったのでしょうか?

空き部屋といえども玄関や窓は施錠されており、鍵は管理人が保管しているはずです。

 

ところが、今回の国際詐欺事件にかかわらず、架空請求詐欺などでも空き部屋を利用している事例がたくさんあり、鍵を入手するという同様の手口で部屋の中に侵入しています。

鍵の入手方法はキーボックスからで、もちろん暗証番号がないと開けられないのですが、犯行グループは専用サイトに不正アクセスし、そこで番号や鍵の保管場所の情報を入手していたそうです。

不動産業者によっては、いつでも内覧できるようにキーボックスを設置する場合があるのですが、その鍵が狙われているのです。

 

そして入手した空き家や鍵の保管場所、キーボックスの暗証番号などの情報は、別の犯罪グループへ提供されてしまいます。

自分が知らないうちに、所有する空き家の情報が筒抜けになっているなんて、所有者にとっては恐怖としか言えません。




▼空き家が国際詐欺に利用された原因


空き家が国際詐欺に利用された原因は、事件だけにフォーカスすれば鍵の管理が甘かったことですが、根本的な理由は増え続ける空き家が背景として考えられます。

 

平成2510月時点での総務省の発表によると、空き家の割合は全国で約13.5%、数にして8件に1件が空き家となっているようです。

平成20年から比較すると63万戸も空き家が増加しており、人目に付きにくくちょうど良い隠れ場所を社会が作りだしている状況となっています。

 

もちろん、警察庁もこの問題を黙ってみているわけではなく、平成27年には怪しい現金や荷物の受け取りの取り締まりを大幅強化した結果、227ヶ所で244人を検挙したそう。

この数字は、前年比の7倍近くだそうですよ。

こんなにも検挙件数が上がるということは、空き家がいかに多くの犯罪に巻き込まれてしまうのかよく分かる数値です。

 

あなたの所有する空き家が詐欺グループに利用されると考えるとどうでしょうか?

場合によっては、管理不行き届きで責任を問われる可能性がないとはいえません。

所有する不動産の中に放置している空き家があるのなら、事件や事故に巻き込まれないよう、きちんと管理しなくてはなりません。

そのためには空き家へ頻繁に足を運び、物件が管理されていると悪用を企む外国人などにアピールする必要があります。

効果的な方法としては、不定期に管理に訪れることです。

時間や曜日を一定にしなければ、相手は計画を立てづらく、利用価値のない物件として狙われる可能性が低くなりますよ。

 

所有の空き家が社会問題となっている物件とならないよう、日ごろから維持管理をしっかり行いましょう。




▼まとめ


現代は国際詐欺によって、外国人までもが空き家を悪用する事態となっています。

とはいえ、頻繁に、そして不定期に足を運ぶことは、なかなか難しいのではないでしょうか?

空き家から遠方に住んでいたり、仕事や家事育児で忙しかったりすると、なかなか時間を作って足を運べるものではありません。

そんな場合は専門家を頼りましょう!

プロに任せることで詐欺利用の懸念は減少し、建物も適切に管理してもらえます。

 

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大切な不動産が犯罪の温床となる前に、ぜひ管理を委託して安全な空き家を維持しましょう!

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