5,000㎢を超える広大な面積を持ち、人口は620万人超と全国で6番目に多い千葉県。
関東地方の南東部に位置し、東側は太平洋、西側は東京湾と県の大部分を海に囲まれた土地柄で、あたたかくて暮らしやすい県です。
また、県の北西部は県庁所在地の千葉市をはじめ、東京都心のベッドタウンとして発展している街が多く、海に突き出た県南部の房総半島は豊かな自然が残る点も特徴です。
そんな千葉県においても、空き家問題は他人事ではありません。
千葉県の空き家はどの地域に多いのでしょうか。
そして、問題解決のためにどんな取り組みをおこなっているのでしょうか。
千葉県は約8軒に1軒が空き家
総務省統計局は5年に1度、全国の住宅や土地に関する統計調査「住宅・土地統計調査」を実施しています。
その最新の調査にあたる「平成30年住宅・土地統計調査」によりますと、2018年の千葉県の総住宅数は303万戸で、平成25年度の前回調査より、およそ13万3,600戸、4.6%の増加となっています。
このうち空き家は38万2,500戸で、総住宅数の12.6%を占めていますから、千葉県内の住宅の8軒に1軒近くが空き家ということになります。
直近の空き家の統計を見てみますと、2008年の空き家数は35万5,900戸、空き家率13.1%、2013年の空き家率が36万7,200戸、空き家率12.7%となっています。
空き家率だけを見ると、千葉県内の空き家の割合にそれほど変動があるようには感じませんが、空き家数は10年間で2万5,000戸以上も増加しているのです。
千葉県内の住宅総数が増えるのに比例して、空き家の数も増加しているわけですから、決して楽観視することができない状況であると言えるでしょう。
参考資料:平成30年住宅・土地統計調査 調査結果の概要(千葉県版)00表紙 (chiba.lg.jp)
千葉県で空き家率が高い街は?
620万人を超える人が暮らしていながらも、千葉県は決して低いとは言えない空き家率に悩んでいます。
特に勝浦市(36.8%)・いすみ市(28.6%)・鴨川市(26.3%)の房総半島南東部に位置する街は、空き家率が25%超と県内でも高い数値を記録しています。
また、勝浦市は2013年~2018年の5年間で人口が1,500人近く減っています。
同じくいすみ市も過去5年間で2,200人以上、鴨川市も約1,500人減少しています。
参考資料:数字で見る勝浦市の姿 平成29年版kikaku_29suujidemiru.pdf (katsuura.lg.jp)
いすみ市 世帯と人口 年度末人口表(平成26年3月末4fba00097558137e97e184607dac3255-1.pdf (isumi.lg.jp)
・平成30年3月末e64c14a8d8a3d2dafe5b7f1b1e267aa9_2.pdf (isumi.lg.jp))
鴨川市統計書 平成29年版 人口1476.pdf (kamogawa.lg.jp)
やはり人口が減ることは、空き家が増える原因の一つだと言えそうです。
千葉県や各自治体がおこなう空き家問題解決への取り組み
千葉県では、何とか県内の空き家問題を解決するために、2015年2月に『千葉県すまいづくり協議会空家等対策検討部会』という組織を設置しました。
これは県内の全54市町村と千葉県で構成される組織で、各地域が抱える空き家の情報収集や対策について検討します。
検討部会では、これまで集めた情報をもとにマニュアルを策定し、各自治体がそれぞれ問題に取り組む際の指標を作っています。
また、各市町村でも空き家バンクを設置したり、専門家による相談受付などもおこなっていますよ。
相談窓口は、県の宅地建物取引業協会や全日本不動産協会千葉県本部、建築士事務所協会など、不動産に関係する団体となっています。
さらに、司法書士会・弁護士会・地方法務局など、不動産にまつわる法律のプロも相談を受け付けています。
不動産はよく分からない法律や専門用語などが多く、素人ではなかなかうまく手続きが進められません。
そうした人たちを助けてくれるプロが相談に乗ってくれるなら安心ですね!
そして各自治体がおこなう取り組みは、以下のような例があります。
勝浦市
勝浦市も全国の他の自治体と同じく空き家バンクを運営しており、空き家の所有者や住まい探しをしている方が空き家バンクを利用すると、さまざまな特典を受けられる仕組みになっています。
空き家活用奨励金交付制度
空き家所有者が空き家バンクに所有物件を登録し、利用希望者と賃貸借契約を結んだ場合、空き家所有者に奨励金が交付される制度です。
条件をクリアすると、空き家1軒ににつき10万円が支給されます。
若者等定住促進奨励金交付制度
こちらは夫または妻が40歳以下の「若者夫婦」が住宅を取得し、勝浦市に5年以上定住、もしくは他の自治体に住む「若者夫婦」が市内の賃貸住宅に移住し、2年以上定住する際に奨励金を交付する制度です。
住宅取得では1世帯につき40万円、賃貸住宅への入居では1世帯につき10万円が交付されます。
こちらの制度について、空き家バンク登録物件を取得または入居する場合には、年齢に関する制限なく、制度を利用することができるようになりました。
グリーン住宅ポイント制度
グリーン住宅制度は一定の要件を満たす新築・中古住宅の取得やリフォーム工事を対象として、商品と交換可能なポイントを付与する制度です。
空き家バンク登録物件の購入でも、ポイント付与を受けることができます。
いすみ市
いすみ市創業者空き家活用事業補助金
空き家の利活用促進を目的とした制度で、空き家をリフォーム・リノベーションして創業する方を対象に、200万円を上限として、改修工事費の1/2が補助金として支給されます。
通勤通学用駐車場利用補助金
いすみ市に引越してきた人で、JR外房線を利用して通勤通学するために駅まで車で行って駅近くの月極駐車場に停める人に対し、毎月の駐車場代を補助する制度です(補助対象となる駅の指定あり)。
補助金額は1ヶ月3,000円(3,000円未満の場合はその金額分)。
また、JR外房線を利用して通勤通学する人向けの転入者等特急料金券購入補助金制度もあります。
鴨川市
ふるさと回帰支援センターとの連携
空き家バンクの運営について、田舎暮らしやIJUターンを支援するNPO法人「ふるさと回帰支援センター」との連携を図ることで、移住・定住に関する充実した支援を提供しています。
具体的には、「ふるさと回帰支援センター」は空き家バンクに登録された空き家・空地物件の見学会を開催、物件の空き家バンクへの登録時の物件調査や、空き家希望者のための物件案内などを担っています。
空き家バンク掲載物件の契約時には、ふるさと回帰センターの会員不動産会社が仲介業務をサポートしてくれます。
さらに、鴨川市への移住を検討している人や移住した人を対象に、市内の空き家・空き地情報や就農支援情報を提供するなどの支援もおこなっています。
木造住宅耐震改修事業費等補助金交付事業
旧耐震基準で建てられた家など、一定の条件を満たした木造住宅の耐震改修にかかった費用の一部を補助する事業です。
補助率や上限額は工事内容によって異なります。
この他にも、千葉県の各自治体では空き家の活用につなげるための取り組みをおこなっています。
千葉県へ移住を考えている人はもちろん、県内で空き家を所有していて何かしら活用したいと考えている人もぜひチェックしてみてください!
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まとめ
今回の記事では、千葉県の空き家の現状と、県内自治体の空き家に関する取り組みについてご紹介いたしました。
千葉県内には都市機能が整備された地域から、豊かな自然に恵まれた地域まで、一つの県の中でも多様な魅力を持つさまざまな自治体が混在しています。
一方で、年々空き家が増え続け、空き家率がかなり高い自治体も存在するなど、早急な空き家対策が求められています。
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