空き家をトランクルームとして活用する方法とは?
はじめに、空き家をトランクルームとして活用する方法についてご紹介しましょう。
まず、トランクルームのタイプには以下のものがあります。
●コンテナタイプ
こちらは、街の中でよく見かけるタイプだと思います。
船や飛行機に積み込むようなコンテナをいくつか並べて、区画ごとに利用できるものです。
1区画あたりのサイズは、1帖未満のものから3~4帖くらいまでのものと幅広いので、利用者が保管したい物に合うサイズの区画を提供できます。
●ロッカータイプ
このタイプは、駅や商業施設の中にあるようなコインロッカーサイズや、自宅のクローゼットくらいのサイズまであります。
クローゼットサイズは高さもあるので、扇風機・スノーボード・スキー板など、使う季節が限定される大きな物の保管場所として利用する人が多いですね。
コインロッカーサイズは空間がコンパクトなので、本やCD・アルバム・フィギュアなど比較的小さい物の保管に適しています。
●屋内タイプ
このタイプは、建物の中に専用のスペースを設けて、そこをいくつかの空間に区切って使うことが一般的です。
空き家を解体せずにトランクルームとして活用するなら、このタイプに当てはまります。
次に、空き家を活用してトランクルームを経営する方法について見ていきましょう。
トランクルーム経営には、ご自身で事業を運営するだけでなく、空き家を解体して業者と契約し、トランクルームを経営する方法もあります。
一括借り上げ方式では、空き家の所有者が土地を提供し、業者がトランクルーム用の建物を建設した上で、借り上げてもらうことになります。
設備の設置などの準備、集客や契約などの経営業務や建物の管理は、土地の所有者でなく、業者が請け負ってくれます。
所有者は業者と建物についての賃貸借契約を取り交わし、毎月賃料を受け取ることが一般的です。
ただし、業者によっては契約やプランが異なり、売り上げによって賃料が変動しない固定報酬制や、賃料が売り上げによって変動する売り上げ連動制、所有者が設備を整えるリースバック方式などが採用されている場合もあります。
業者が経営・管理を担ってくれ、空室リスクも少ないため、所有者の方の管理負担が軽いことがメリットですが、賃料設定は低めとなることが多いようです。
一方、業務委託方式では、土地の所有者が土地や施設の整備などの初期投資、経営をおこない、委託料を支払って、業者に集客や契約管理、利用者対応などの日常業務を依頼します。
所有者は経営の手間や、空室リスクを負うことになりますが、ご自身で経営する場合よりはリスクが低く、集客できれば一括借り上げ方式よりも収益を得られる点がメリットです。
トランクルームを経営する知識やスキルがない場合、業務委託方式で開業し、経営ノウハウを学んだ後に、ご自身での経営に切り替えるのも選択肢の一つです。
空き家をトランクルームとして活用することのメリット
色々なタイプがあるトランクルームですが、どのタイプでも共通して言えるメリットは、『収益が見込めること』です。
「使う機会が限られている物を自宅に置いておくと狭くなる」
「家族に内緒で集めた趣味の物をどこかに隠しておきたい」
「引っ越しで一時的に荷物を保管したい」
そういった理由で、自宅とは別に荷物を預けたい人は多いのです。
でも、そのために賃貸物件を借りるのはコストがかかりすぎますし、保管したい物のサイズが合わなければ無駄にスペースを余らせてしまって、得策とは言えません。
その点、空き家をトランクルームにすると、利用者は必要なスペースを低コストで使うことができるので便利です!
もちろん、空き家所有者にとってはこれも立派な収益となるので、貸す側・借りる側のどちらにもメリットがある、空き家の使い方なんですよ!
料金は広さによって変わりますが、空き家を活用するなら1帖くらいのサイズで月額8,000~10,000円程度が妥当です。
仮に、空き家の中に1区画1帖(月額10,000円)のトランクルームを6つ造るなら、ひと月あたり60,000円の収益が見込めますね。
また、トランクルームは通常の賃貸物件と同じように、契約時の初期費用や更新期限が近付いた時に支払う更新料なども設定するケースもあります。
そうした点を踏まえると、月額料金以外の収益も見込めるんです!
そして収益以外のメリットとしては、以下の点も挙げられます。
●人が住むための物件ではないので管理が楽
●倒壊の恐れや劣化の危険性がない限り、大掛かりなリフォームをしなくても活用できる
●活用するための建物が既にあるので、新たに物件を探す手間や費用をかけなくてOK
こうしてみると、空き家をトランクルームとして活用することも良いかも…と思いませんか?
空き家をトランクルームとして活用する場合の注意点
ところで、空き家をトランクルームとして活用する場合、当然ですがメリットだけでなく、注意点についても理解しておかなくてはいけません。
まず、どんなに条件が良いトランクルームでも、常に満室状態になるとは限らないことです。
通常の賃貸物件であれば、東京に住んでいる人が大阪に転勤が決まって大阪の部屋を探すというようなケースもありますが、トランクルームを借りる人の多くは近隣に住む人です。
そのため、人口が少ない地域だと満室どころか、1区画も借りてもらえない可能性もあるんです。
そしてもう一つの注意点は『法律』です。
トランクルームは貸倉庫の一種なので、倉庫業法・建築基準法・都市計画法の3つの法律が関係します。
倉庫業法は、一定の温度や湿度で荷物を保管することができるのか、ホコリがついたり害虫が発生したりしないような環境が整っているのかなどの基準を定めています。
そして、空き家をトランクルームとして活用することを機に倉庫業者となる場合は、運輸局への事前相談や各種審査を経て国土交通省への登録もしなくてはいけません。
建築基準法や土地計画法に関しては、既にある空き家をそのまま活用するのであれば大きな問題はありませんが、一度更地にしてトランクルーム経営を始める場合は要注意です。
全ての土地は、都市計画法の用途地域によって建築が認められている建物の種類や高さ・広さが制限されているため、希望するトランクルームが設置できないこともあるんです!
もちろん、用途地域の制限内であっても、建築基準法に違反するトランクルームを造ることもできません。
空き家をトランクルームとして活用する場合は、これらの法律もしっかり確認して、うっかり違法とならないように十分気をつけましょう。
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まとめ
ニーズが高いトランクルームは、空き家活用の一つとして期待できる方法です。
その反面、法律が関係する難しいポイントも多いため、個人だけで全て済ませるにはかなりハードルが高いでしょう。
そうした課題をクリアし、スムーズな経営を行うのであれば、貸倉庫やトランクルーム運営・管理を行っている不動産会社へ相談しましょう!
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